溶解antenna.

楽譜を探しに遠出した。
遠出の時は、金券ショップにお世話になるのが良い、と学んだので電車に乗る前に購入しておいた。電車の切符など、数十円しか割り引かれないが、それでも私には節約にはなる。往復なら百円くらい安く収まる。近年はそこそこ大きな駅の周辺には必ず金券ショップがあるので、とても便利だ。
結局探していた楽譜は見つからなかったけれども。相変わらずマンドリンの楽譜は取り扱われている分が少ない。新たに入荷される事も滅多になさそうだ。
楽譜屋から近くの駅まで行くあまり馴染みのない道程で少々迷っていたら、師匠らしい人を見た。お忙しい方なので、本人かどうか定かでないが、身体的特徴と服装はご本人そのもので、吃驚し思わず振り返ってしまった。

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ごく当たり前の事かもしれないが、書いておく。知り合いについて、「何となく今日遭いそうな気がする」と、何かの匂いを嗅ぐように「気配を嗅ぐ」事がたまにあり、たまに本当に遭う。遭うほんの直前に嗅ぐ事もあれば、一日中嗅いでいて、匂いを忘れた頃に不意に出くわす事もあり、「気の所為」に終わる事も勿論ある。同様に、狭い場所(電車の一両から音楽ホールくらいまでか)だと、知り合いがいる時はその人がいるかどうかが何となく分かる。近頃その感覚が妙に敏感で、「当たる」確率が高い。私の身体の何処かのアンテナが、一時的に敏感になっているのかもしれない。永続的でもっとはっきりしたものだと疲弊するだろうから(発狂しそうだ)、一時的で全く構わない。ただし、「会いたい(遭いたい)」と思った時は、今のところ100%、遭わない。これは間違いない。よって、つい思ってしまった時は、「しまった」と後悔するしかない。嬉しいのは、「遭いそう」と感じた人に本当に「遭いたくなり」、且つ「遭えた」時である。

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「タイカレー」という名前のカレーを食す。他の店で食べた「グリーンカレー」に似た味と色(白っぽい色で、ざらざらした舌触り。青唐辛子のような辛味がある。スパイシーだけれど、その辛味の中に甘味もあり、複雑な味わい)だったので、今日のタイカレーは所謂グリーンカレーだったのかもしれない。何となくココナッツ入りの様な気がする。というのも、私の身体にはココナッツミルクに対する耐性があまり無いらしく(味は決して嫌いではないし、タピオカ入りココナッツミルクは好物だ)、一定量摂取すると途端に摂取スピードが落ち、気分が悪くなり始める。その信号はとてもはっきりしている為、幸いにして嘔吐するまで摂り続けた事はないが、何だか分からないが身体が受け付けてくれない。薄めで少々入っている程度なら大丈夫らしいが、濃いままか多めに入っていると駄目らしい。原因は全く不明である。よく分からないが、とても損をしている気分だ。

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レッスン後暫くは、楽器が煙草臭い。木製だからか、持ち主や環境の匂いが染み付きやすい様だ(他人の楽器を借りると、その人の匂いが大抵はする。自分の匂いは自分で嗅げないのと同様、自分の楽器の匂いは分からないけれど)。きつくない香のサシェか、自然素材の脱臭剤でも入れておこうかと思う。そろそろ梅雨に入り、楽器にとっても嫌な季節になる。今年はどんな梅雨と夏になるのだろうか。乾燥剤をケースに入れておくべきか、と思いながら、入れていない。素人なので下手をすると怖い。楽器用の乾湿剤が楽器店でも扱われてはいるようだが、気休めの効果しか望めない気がする(それくらいで丁度なのだろうか)。