2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

白い記憶.

朝焼けの色を見ながら(太陽が塵の多いところを照らしている為に赤く見える、とこの間『問いつめられたパパとママの本 (新潮文庫)』で読んだので、塵の漂う地球を想像しながら)、両手に白い息を吹きかけた。早朝七時前に家を抜け出て、泥棒の様に研究室に忍…

納豆リターンズ.

疲れて帰宅したところに納豆御飯と味噌汁、煮物だと、もう後は入浴して寝てやるか、という気持ちしか起こらないだろうから、母の為に唾液の出そうなものを拵える。ケンタロウ考案の料理は食欲に応えてくれそうだ、という思い込みの元、図書館で借りた『ごは…

猫は胡坐なんてかかない(多分).

今日で大学の授業はすっかり終わるらしい。大学の暦に頓着しないで過ごした一年間であった。先を丸めた手で顔を洗う猫の様に、砂利道の多い大学の隅に、頓着せず胡坐をかいて過ごした。 大学には行かずに、インスタントコーヒーの湯気越しに、「後期終了」と…

遠いファンファーレ.

胃腸が痛いのは、ひょっとしてストレスか、と考えてみるが、そんな敏感な胃腸も精神も持ち合わせてはいなかったはずだ、と思い直す。恐らく不摂生と過食の所為だ。 しかしながら、近頃しばしば感じている或る人達に対する苛立ちが、その刺激が胃腸の「傷」を…

雨の匂いを嗅げばひと鳴き.

良い事を思いついたらば、すぐに実行せねば気が済まない。買いそびれたものがあると、いてもたってもいられない。 昨日の骨董屋で、普段気兼ねなく使う事が出来るような値段で、琥珀色のカップを見かけだが、買わずに出てきた事を悔やんだ。悔やめば悔やむ程…

無言.

久々に大学に行く。研究室仲間に課題材料のコピーを頼んでいたので、そのお礼に、朝早くから空いている輸入食品店に行って、最も美味しいと思っているポテトチップスを一袋買い、それを割れないようにふわふわと扱って鞄の隙間に滑り込ませる。この時期電車…

湯をぐらぐら沸かしましょう.

猫の鼻筋と口を見ていて、かぱっと一瞬口の中にそれらを収めてやりたい奇妙な感情が起こり、ムツゴロウさんを思い出した。そんな事をされて快感や親しみの気持ちを抱く動物は、いないだろうけれども。 - 「眼球の透明さ」というフレーズへ違和感と強烈な印象…

サン=テグジュペリはお好き.

toriaezu ha-bu-tei demo nonde.(とりあえずハーブティーでも飲んで)、と云ってくれるお知り合いがいたので、素直に従ってカモミールティーを淹れた。電灯を着けるのを渋って、暗がりで熱湯をティーバックに注いだ為、跳ねた熱湯が親指に落ちた。 熱い。 …

友達になる事ってこんなに難しかったっけ.

ここ数年、悪いものが自分に憑いている様な気がしてならない。正月に縁結びを買ったところだが、まず縁切りを済ませてから縁を結びにかかった方が良さそうだ。今週中にお参りに行ってみよう。 何より、酷い泣き上戸から脱したいのだ。 - 自分の気持ちや態度…

terrible pain.

肩から肩甲骨にかけてひどく痛む。昨日、慣れないヒール靴を履いて、不自然な体重の掛け方で楽器を弾いたからだろう。とても不快な痛みだったので、気持ちまで落ち込む。没頭出来るCDを二枚交互に聴きながら、暫く何もしないでいる。 暫く、のつもりが、気…

宙を舞う.

楽団の練習に向かう途中、黄色い猫が二匹、目を細めて座りこんでいるところに近づくと、二匹共から親しげに挨拶をいただいた。珍しく甘い声を出す。餌やりのおばさんと間違えたのだろうか。眠たそうだった。 こちらも眠いと演奏がもたない。何とか弾きはする…

時計を見て過ごす.

楽団のホームページ改装に張り切ってみるも、後少しのところでうまく行かずに、振り出しに戻す。こうしては居られない。 - もう何ヶ月も、同じような状態で寝転んで夢を見てきたが、近頃夢の内容が不可解なものへと変わり、その記憶を覚醒後に持ち越す事が出…

巻き毛に指を絡めて.

参考書とフロッピーディスクの上に、ラムネ菓子の白い粉が薄っすら積もっている。指で撫でると、灰色の埃と共に甘い香のものがざらざらと「腹」を擦る。もう少し近づいてみよう、と思うが、眩暈がしてだめだった。 - 口の動きと音声がずれている映像を目にす…

よちよち歩きのお子さんをお連れの方は.

眼鏡を忘れて、楽譜が見えない。師匠に音を読ませて、その上指を楽器に置いてもらうまでの始末、三歳児の気分で誠に申し訳なかった。この程度の弟子なのだ、と思われても、もう撤回しようがない。 えらく淡白なレッスンだったな、と思い返して、呆れられたの…

デラックス中華の土曜.

体育座りをして、ニ回分の再放送ドラマを観ていた。私を置いて、日は暮れて行く。ドラマに出て来るケーキがあまりに美味しそうなので、コンビニにティラミスを見に行くが、置いていなかったので苺味の板チョコレェトを買う。300kcal以下だと知って、いつ…

(missing.)

(missing...)

いい匂いのするメルヒェン.

論文のタイトルを少々いじって整え、それを名前と共に書類に書き、印鑑を押す。修士号を下さい、というのが、凄くおこがましいが、一応願い出てみる。事務所に行くと、書類は良い匂いのする綺麗な事務員さんの手に渡り、あっさり受理されてしまった。私の書…

カーテンは開けない.

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『Bolero―世界でいちばん幸せな屋上 (ミルリトン探偵局シリーズ 2)』を読んでいた様に思う。即席スープを買いに格安スーパーに出かけて、暗い自室で啜っていたところ、母に、そうしているとまるで引きこもり…

結婚式の風景.

楽団でご一緒している方の結婚式ニ次会に行く。ドレスを汚さない為に、身繕いの手順を考える。よくもまあ、こういう時だけ頭が働くものだ。シャワーを浴びた後一旦部屋着をつけて顔と髪の手入れをし、伸びていた爪を切って、ドレスとコートをハンガーから下…

一目惚れでなくっちゃ.

授業に出た後、買い物リストに従って、CD−ROMと椿油、ニ次会用ハンドバッグを調達に街に繰り出す。CD−ROMはセール中とあって、通常10枚入りの値段で20枚入りを購入出来たがしかし、重い。鞄も、上品な古着屋の並ぶ通りを念の為「パトロール」…

帽子から見える癖髪.

土曜の結婚式ニ次会の手土産に、金平糖を持って行く事を思いついたので、古都の名店に出かけて行く。女将らしき着物の女性が、この季節限定の梅味の金平糖を一つ、掌に乗せて下さった。他の金平糖とは違い、核に玉あられを使っている為果汁がよく沁み込み、…

鏡の国.

図書館から借りた本に、とても繊細なものが挟まっていた。同じようなものを頁の隙間に認めたのは、確かこれで三度目になる。栞の主とは本選びの好みが似ているらしい。赤い蝶が三匹いる。失敬せずに、そのまま挟んで返却する予定であるが、この本を読んでい…

長じてもグミが好き.

地元に引きこもっている期間は、図書館、ドラッグストア、書店、コンビニ、しか行く場所が無いにしろ、よくもこれだけ魅力的な店を揃えたものだ、と思う。居心地の良い喫茶店がなくて良かった。あればきっと、入り浸って本ばかり読んでいただろう。ファース…

憂鬱の隙間に没頭.

これから何枚、没頭出来る音楽に出会えるだろうか。 楽団の前回演奏会のCDを昨日買わされた(欲しかったので、買った、に近い)。私が入団する前で、本番は客席に居て聞いていた。あの時も、素晴しい、と思ったものだが、CDも没頭する程良い仕上がりで、…

没頭.

よく眠った後に楽団の練習に行ったので、没頭した。鼻血を出しそうになる。師匠の顔も真っ赤だった。

親子ドリア.

一週間後に結婚式のニ次会出席が決まっているので、母にドレスを見立ててもらう。ドレスと云っても、少し上等なワンピースである。運良く、一目で気に入った紺色の上品なワンピースと、ラインの美しいコート(まるでドレスの様に美しく広がる)を、セール中…

引っ張られる腕.

単純でありがちな筋なのに、感情を持って行かれてしまう話がある。切なそうな顔や困った顔、一方で無表情な顔に弱い。 - ラムネ菓子中毒がまた始まった。ラムネを買うついでに、スープも買う癖がついた。

「気がつくと僕は」.

PC作業の時卓上ラヂオがあれば、孤独感から少しは解放されるかしらん、と思い、LEXONのゴム製防滴ラヂオを見に出掛けたが、欲しい色が無かったので諦め(一生側に置く事を考えると、蛍光色は扱い難い)、world end's girlfriend(なんと魅力的な名前…

早食い、惨敗.

娘の運動不足を解消させるべく、夫婦は彼女を、大盛況真っ只中であるはずの清水寺へと連れ出した。 論文があるから、と渋ってはみたが、結局押し切られて行ってみれば、坂の途中で研究室の同期の顔を見て取った。が、正月くらいは休んで良いのか、という気に…

先に続いていくもの.

今日も、お節料理とお雑煮、餅をいただく。お節料理は、半分何処かで買ったものなので、何日も食べていると高血圧に陥りそうだが、病み付きになる。 年の暮れに古書店からいただいた武満徹のポストカードのうち二枚を、師匠とひと宛てに書いて出してきてもら…