2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

病がちな音楽.

世界から落ちそうになる。 自分の内のどろどろした部分を少しでも見せる事が、怖く感じらる。具体的には、曲を通して、こういう感情を出したい、と主張する事が怖い。そればかりか、音楽という表現行為から離れたい、とすら感じられる。恐ろしいまでの虚脱感…

刻み生姜にごま塩振って.

前日の晩に拵えた焼き饂飩を、白い琺瑯の弁当箱に詰めて持っていく。醤油仕込みのそれは、やさしい味がして冷めても美味しい。薄紅色の刻んだ生姜が、目にも舌にも爽やかである。他の誰に食べさせる訳もないので、冷蔵庫にある野菜やらを何でも刻んで混ぜ込…

うまく使えないもの.

ノートをうまく使う事が出来ない。 どんなに気に入ったノートであれ、目的が無ければ買ったりしない。それなのに、いざ使おうとなった時、そのノートが愛し過ぎる余り、どうしても使えなかったり、使い始めたものの、字や一旦決めた使い方が気に入らず破いて…

胃もたれの月曜日.

電話の対応を立て続けに失敗した事で、頭の上から落ちてきた暗さを全身に纏いながら、書店に足を運ぶ。足取りが重たければ、鞄も重たい。 書棚に刺さっている雑誌を引き抜き、腕に抱えて(何十周年かの記念号は、矢鱈と重く分厚い)、「料理」という場所で弁…

遮光性.

新聞屋のバイクの音を聞いて寝、休日の娯楽に出掛ける人々の声で醒める。 陽の光に反応して醒める、という健全な体質は、何時の日か失われてしまったらしい。光の明るさではなく、光を受けたカーテンの白さや薄さばかりが意識に上る。 一体何時、陽の光の快…

リボン結び.

港の街へ行く。 亡くなったヒトの乾いたの、なんて大して見たいとも、道徳的に見ても良いとも、思わないのだが、両親が必死で「見なさい」と云うので、ひとりチケットを握り締めて行く。 合わない靴に無理矢理付き合わされて徐々に骨ばっていく、哀しき我が…

桟橋の金具.

「ずるいひと。いつもそうするのね。」 「・・・すまねえ。行ってくれ。」 男性の名誉と誇り(それらが一般に「男のロマン」と呼ばれるものだろうか)に加えてファシズムが台頭する時代思潮を描く一方で、「男のロマン」に翻弄される女性の切なさが描かれている…

白と黒の魚がおよぐ.

大事な時期がすべて抜け落ちてしまった、この日記を哀しく想う。もはや何をどういう態度で書き記していたのか忘れてしまったが、再開する事にする。 こんなにも毎日、ものが書きたい、又は、書かねばならない、と思い続けるとは、予想だにしなかった。学生時…

壊したレンヅ.

以前は何とも思わなかった風景を、写真に収めたくなる様になった。特に食べかす等、雑然としているものも美しく感じる。 - コンビニ店員の女の子が、腕に包帯を巻いていて、痛々しい。「そう」と決まった訳ではなく、ただの疥癬か何かかもしれない。それなら…

或る日々の書置き.

或る日 「大阪の雨は風情がない。草臥れたビルの塵が余計に際立ち、街も道路もそらも、皆灰色に塗りつぶされる。 雨の日にだけ行く喫茶店があれば良い。」 又或る日 「珈琲を電動ミルで挽く時、一瞬電灯が薄らいだ。裸電球である。」 又或る日 「今日のひと…