2006-01-01から1年間の記事一覧

我が部屋に新年は来ず.

早朝から起きだして昨日の挽回を、と何度もアラームを設定して、何度も目を覚ますが動かず。そんなに嫌なのか(嫌なのだ、多分)。せねばならない、という事がテーマになった夢ばかり見、挙句の果てに暫くお預け状態にあるお出掛けと、好きなひとやら過去に…

禁じられた逃避行をしよう.

起き出さねば、というのに、腹痛で唸る。兎も角起きだして薬を買いに行こう、と思っているうちに再び意識を失い、気がつけば午後になっていた。こうして人生を損して行くのかしらん。 猫はここのところずっと、一ヶ所にかたまって動かないから、構いようがな…

風まかせ.

血液がうまく流れてくれないので、眠ってしまおうか、否もう時間は無駄に出来ないから起きていようか迷う。結局、物思いが睡眠に走らせた。

母が予ねてから観たがっていた映画「犬神家の一族」を観に行く。あんた丁度誕生日だから、と云う母と、女性は千円で済む日だから、という私の意向が相まって、遅い午後からの予定の間に、母との時間を詰め込んだ。学生時代に観て世間でも流行ったのよ*1、と…

四日だけ年女.

年の瀬に生れると、年女でいる日数が数日しかない、という事に気がついた。もうすぐ別のどうぶつがやってきてしまう。 - 日付が変わって一歳加わる前から、過去になる予定の歳と現在になる予定の歳の事を考えていた。この歳になってまで両親に扶養されている…

小さな女の子へのご褒美.

論文の束を分類して、使用済み封筒に仕分けする、という単純作業を気分良く済ます。どうにか使い易く見易くならないものか、と思う。魔法で宙に浮かせる事が出来たら良いのに、杖なんかを振って。ついでに翻訳もしてもらいたい。全部英語で書かれていると、…

肝臓先生と私の肝臓.

そういえば、テーブルの向こうの端っこで飲んでいた人は、アンゴ(坂口安吾)が好きだと云っていたっけ、と小さな記憶の光る断片を拾いあげながら、渦巻く頭を振る。気分が悪いのか、途轍もなく空腹なのか、どちらだろう。朝食を食べに降りれば、食卓に林檎…

クリスマスの幻影.

にゃあ、といつも挨拶をしてくれる猫が、大人しく写真に収まってくれた。この猫の尻尾にくっついている縞々が、殊に可愛い。 今日でクリスマスソングが終わりかと思うと、すこしさびしい。 先月末から少しずつ練習を重ねてきた曲を、今日集まってくれた殆ど…

たこ焼き四個が運ぶもの.

そういえばクリスマス、メリークリスマス、とは云いはしたものの、恐らくそれらしい食事を自宅でするだけで終わる。雪だって降らないし、恋人にだって会えない。たこ焼きでも食べて帰ろう。もうすぐ誕生日が来るので、大きな楽しみは後に溜めておいて、今は…

鴨を追い駆けて.

お歳暮を注文するついでに、貰った割引券で食事をしよう、と祖母が云うので家族で出かける。五千円程度の品物を7,8件に贈るなんて仕来りを、よく大人は礼儀と義理で続けているものだ。その礼儀と義理で出来た割引券で、土地のものをいただいた。幸いにし…

愛想のない私

半年前まで、室外機の上で丸まる毛玉だったのに、と猫の背に目をやりながら、いつものコロニーを通り過ぎる。元気で、そして愛想がなくて良い。 - この日絶対やらねばならなかった事は、楽器の練習で、ひとしきり集中した後は、徹夜で抑え込んでいた睡魔に屈…

神が居ても良いな、と思った.

クリスマスカードとカレンダー、昨日買いそびれた『NARA NOTE』を買いに、バスに乗って久々に遠方の書店に行く。自宅を出た時点ですでに陽が翳り始めていた為、求めているものをぽいぽいと腕に収め、店を後にする。長居をすると、懐を寂しくするようなものを…

怒りの日.

猫は、基本的に静かにしているから、好きだ。身体を震わせて一生懸命に鳴いている犬が、何だか気の毒に感じる。喉は無事だろうか。 教授に至極真っ当なお咎めを受け、反省と今後の決意を手帖に書きなぐる。兎も角、手足を動かして脳に刺激を送る事だ、と少し…

願望の溶け込んだ夢.

重く苦く甘い夢を見、暫く布団の中でとろりとした。なぜ連絡をくれないのか、連絡をくれなかったくせに呼べば一緒に出掛けるのか、そう云って夢の人は意地悪な笑いで切なくさせた。好きだった人に非難されたい、と思っているのだ。何と甘い夢、現実はずっと…

偽物或いは本物.

ここのところ、美味しいコーヒーにも、悪くないコーヒーにも、仕方のないコーヒーにも、ありつけていない。値段にも頷く事が出来ない。舌が変わってしまったのだろうか。インスタントコーヒー用の舌に。ドーナツチェーンのドーナツは、その舌にとってのドー…

とっつき易い一日.

乳幼児の言語獲得絡みの空間認知に関する論文を寝台の中で読み、うとうとし、ラムネ菓子を齧り、コピーを取りに出掛け、スープを飲むと、一日が終わっていた。 大河ドラマが終わってしまったので、後二回分の日曜の夜は一体何を楽しみにしたら良いのか、と祖…

「不在」.

論文を片手に炬燵に入り、「やる気」が暖まるまでテレヴィを観る。新聞に目を走らせると、丁度全国音楽コンクールのささやかなドキュメント番組がやっていた。演奏をじっくり聴く番組も良いけれども、音楽をやる人の言葉が実は一番、自分にとっては興味深い…

he’s cool.

約束の時間を、なぜだか大幅に違えて、手帖に記していた。13時、とこちらが書いたところは、相手のスケジュールには17時半と書かれており、結局どちらが正しいのか分からずに(或いは、年上への遠慮或いは気遣いからか)、13時、という事になった。恐…

会話をする.

冬支度でほわほわした野良猫が、日向ぼっこの台から降りる時に、にゃ、と短く声を発したのが可愛らしくて、電車の時間を忘れて近づいた。ご機嫌なのか尻尾は天を指していて、ブーツの先数センチのところまで更に近づくと、ころっと横たわって白いお腹を見せ…

文字も苦手.

英語の単語が目の前で、読んで欲しそうに踊っている。掴めそうで掴む事が出来ずに、立ち止まってしまう。緊張の所為なのか、元々能力が足りていないのか(両方だと思う)。苦手なのは、二重母音と例外的なアクセントを持つ派生語で、迷った時は小さな深呼吸…

笑えるラーメン.

紅茶とラムネ(お菓子の)中毒に陥る。ラムネの袋には、lemonade、と書かれていて、それにより今更語源を知る。レモネード、ラモネード、ラモネエ、ラムネか。その飲み物を固形に仕上げた人とは気が合いそうだ。 即席麺が、本当に「揚げた」という感じの麺で…

彼方此方へと気が移る.

朝から晩までPCをかたかたやっていた。急ぐ気持ち次第でタイピングの速度が変わる。これだけ速く打ち込む事が出来たり、何より集中出来るのならば、最初からそうしていたら良いのに、と何度も思う。 珍しく、行き帰りは論文に目を通していた。というよりも、…

老いと若き.

大河ドラマが終われば、もう相当に年末が近い、という事だ。最終回では大抵、老いた主人公が亡くなる。人の逝き方は様々だが、今日ドラマを観ていて、眠る様に逝ける(或いは眠っている間に逝ける)と良い、と思った。未だ未だ、死ぬのは怖い。 - ラムネを一…

息をつかずに.

手が冷え切っているというのに、薄っすら汗のようなものが浮いている。 - 大量に借りたのに結局、半分も読む事が出来なかった山田稔の著作他を、渋渋図書館のカウンターに置いて去る。後ろ髪を引かれる思いだ。が、どうしても読み終えたい一冊だけ、こっそり…

頑な.

早朝から履歴書を二枚書く。一枚書きあがり、手早く二枚目を仕上げて大学へ、と焦る気持ちからか、書き間違えが相次いで結局用紙を五枚無駄にした。大学名から学部学科、専攻を何度も書かされうんざりする以前に、押印が曲がって投げる。押印の良し悪しをい…

ドナドナツアー.

車窓を流れる雨粒の線が美しくて、風景よりもそれに夢中になった。鋭い線だったのが、次第に縁が鈍くなっていき、丸くなり、散って消えていった。 - 何かを失いたくなって、いつかの為にまとめておいた「売りに出したい本」の山を切り崩しているところへ、ひ…

彼とチーズケーキの一欠けら.

昨日とは別の「過去の人」が夢に来た「形跡」があり、またもや重い一日を過ごす。昨日同様記憶ははっきりしないが、その人が出てきた事でぎょっとした事だけ、何となく覚えている。 時々行く喫茶店は朝何時からだったかしらん、とネットで調べていると、スタ…

熊蜂の飛行.

野良猫に一声かけたところ、奇怪な表情を返され、驚く。にゃあ、と云ってみたところで通じないのは知っているが、何もそんな顔をしなくても、と驚きの後には小さな哀しみがやってきた。 猫に、つれなくされたと云うより、冷たくされた午前に引きかえ、午後は…

拙きワルツ.

ワルツを聴くと、手を繋いで向き合った男女が、くるくると回りながらステップを踏む姿が浮かぶ。楽しい曲でも、決して踊る気分にはならないような湿っぽい曲でも、彼と彼女はくるくると回る。なぜなら、それは踊る為の曲だから。 うまくステップを踏めば、曲…

透明な瓶は空っぽに.

脇に置いたお酒が、ぱちぱち、と音を立てている。 透明な瓶に入った透明な液体は、何だか謎めいている。ひょっとすると水かもしれないし、毒薬かもしれない。瓶を振って、とろとろ、と中身を揺らしてみるも、正体はまだまだ不明であった。 何やら、熟した果…