蝶.

歩いていると目の前を、美しい羽を持った蝶が二匹、組み合わさってひらひらと舞っていた。そこへ自転車が突っ込んでくると、蝶ははっと離れ、何事もなかったかの如く彼方に飛び去り、戻ってくる事はなかった。

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何かを暗示しているかの様な光景だ、と思ったが、「何か」は浮かばず「美しく不吉」という印象のみ浮かんで消えた。

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大して熱もないのに横になっている事が退屈で、少しの間楽器を弾く。やっと少しずつ、定形が掴めつつあり、嬉しくなる。
どこかに無駄があると、長く弾いていられなくなるので、すぐ分かる。