具体のないもの.

何を訊いても云っても、実直な応えが返ってくる。実直な応えしか返ってこない。目で語ろうとする。それを受け取る事を要求する。

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作家によって、或る身体の部位を自身の創作の中で固執し表現する様子が見られる、との事を、講義で聞く。夏目漱石は頭、川端康成は指、宮沢賢治は頬、よしもとばななは鼻、と先生はおっしゃった。殆どが無意識下の所作を観察し受け取る事は、コミュニケーション上ではずるい事だが(口に出したくない事や見て欲しくない事を、いちいち分析され知られる事は、不快だ)、もはや物云わぬ著作に対するだけならば、享受の道具になりえるかもしれない。

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来年はカレンダーが必要だ、と思い始めた。毎年数ヶ月でカレンダーを管理する事に飽きてしまう為、かけていなかったのだが、なぜか来年は強く「必要」と感じる。
レシートの紙ロールに印刷されたカレンダーに惹かれている。

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コメント返し>maya.様癖、だと云って良いと思います。目、にこだわる作家は太宰治ですかね。『人間失格』だったか『斜陽』を思い出します。ある種のコンプレックスを抱いている部位なのかもしれません。私は頭と足、みたいです。頭痛と靄、何度注意されこだわったか分からない内股の所為だと思います。面白いですね。