降り込められ.

こんな大雪の中、注文していた本がやってきた。転倒して大怪我をした同僚の事を話しながらも、宅配の仕事人は次の御宅へ愛想良く向かっていった。暖かい部屋でお茶を飲んでゆっくりしている自分を何度も省みた。
これから忙しくなるだろう事を見込み、読書の日にした。読んでみたい作家の作品を「発掘」すると現実に戻れない可能性がある為、暫く放っておいた作家(失礼だが)の本を読む。何しろ彼の作品は長いので、少々濃い読書をしたいという時に丁度良い。『文庫版 百器徒然袋 雨 (講談社文庫)』これは一度電車の中で読んでいてふきだした事がある為、今回はしっかり自室で読んだ。案の定数度笑った。この作家の作品に手をつけたいが、本が分厚い、薀蓄部分が長すぎる、等の理由で億劫がっている人には、外伝的ではあるが親しみ易いのではないかと思う。尤も、直木賞受賞作から入れば間違いないだろうが。(いわゆる「京極堂」シリーズではないにしろ)

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夜になると、道路を走る自動車の音が、ごりごりごり…という音に変わった。雪の日は凍結するのがまた怖い。

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大好きで且つ尊敬する文筆家の本、しかもサイン入りで届いた。書店のステッカーと「この本が今年のstartにふさわしい一冊になるとうれしいです。」とのメッセージ入り伝票と共に、大切そうに書店の包装紙に包まれてやってきた。
まだ読んでいない。まだ読めない。もう少し頑張って、本当に助けが欲しい時に読もうと思っている。誰かが大事に書き、誰かが大事に作り、誰かが大事に包み、そして雪の日に誰かが必死で届けてくれた、という事だけ胸に刻んでおく。