封筒をまもる.

uopus2006-05-10

古い雑居ビルの床、市松模様

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仙人掌食ってるイグアナか象亀の如く鈍く濁った舌と動作でアップルパイを咀嚼する。 街の塵ももうすぐ降るはずの雨に濡れ、一層汚らしく足蹴にされるであろう。 土に帰る事を生まれながらに拒否されているプラスチックの如く、たとえ横たわったところでなにも変化しない。しかも、横たわるにも都には土は無い。
余計な空想を通行人を観ながら三十分していた。
つい昨夜は寝てしまい、履歴書書きが間に合わず、急いで駅のホームで書き上げたが、会場までの道程で迷い、時間切れとなる。勿論抜かした朝食と午後からの説明会用の履歴書書きの為に、コーヒーチェーンに入る。暫く呆然とした後(行き着けなかった会社は、どんなに良い会社だったのだろうか、とまた空想しながら)履歴書を仕上げて、長時間滞在を切り上げる。
コーヒーチェーンのすぐ近くに、以前一度行って気に入った古本屋があり、その店で時間を潰す。が行ってみると開店前で、雑居ビル内のアンティーク雑貨屋を覗き、昼食を摂った。説明会に行く直前まで古書を棚から出したり収めたりし、これぞという本を買おうとすると、財布には高額紙幣しかない。小さな店に千円札を何枚も要求する事は申し訳ないので、説明会後にもう一度行って購う事にした。
説明会が終わり、急ぎの書類をドーナツチェーンに数時間籠もった後書き終え、再び古本屋、一仕事終えた開放感の為に悠長に半時間以上店の中をまわり続け、本をレヂに差し出す。「あ、お決まりですか」「……はい。」
隣にも雑居ビルがあり、同じ様にアンティーク雑貨を扱う店が入っている。こちらはより手狭な空間で、まるでアパートメントの様な印象を受ける。流行といえば流行で、私自身も好きだ。何も買うつもりがない(というより財布自体には余裕があるが「財布の中身」には余裕がない為、いかに素晴らしいものに出会えたとしても何も買う事は出来ない。)が、覗いてみると、店員の方が丁寧に(しかし口調に勢いがあり少し怖い)説明をつけて下さり、しまった、と思う。せめて御礼を云って出る。大人の世界だ…と思う。お金がない子どもは入ってはいけない。 アール・デコ等という単語が聞こえてくる場所には目が無いが、次回から遠慮すべき場所は遠慮した方が良さそうだ。フランス、イギリス、アメリカ辺りの6、70年代のアクセサリーや小物が半分、器物が半分、扱われている、可愛いというより粋な品物の多い、大人になったら「大人買い」したい店である。 子ドモ禁止ナラ店名トカフォントデソウ云ッテヨネ…

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場所と微妙な荘厳さで、どんな種別のホテルなのか判別がつかない。

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郵便局で、同じ様に縁取り紙の宛名書きをしている人を、時折見かける。頑張りましょう、幸運を祈ります、と内心元気づける。

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気持ちで何とかなるものは何とかすれば良いが、何ともならないものは諦めねばならない。-時間等。

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雨の中、通行人に必死で救いを求める、仔猫ありき。一度通過したが、せめて身体を拭き牛乳をあげようと思い、戻るとすでにいなくなっていた。親切な人か猫に、拾われている事を願う。自分の手で救えなかった後悔を願いに換えるずるい人間でごめんなさい。