健気な身体と怠惰な思考.

卒論提出直前に似た生活が舞戻ってきた。カフェインで生きている。明日から大学に通う生活が再び始まるので、眠気覚ましを二瓶買うついでに、自分用にしている、少しだけ値の張るコンディショナーを買い足した。暫く放置してあった髪にはトリートメントの方が必要だとは思ったが、未だ良いか、と置いてきた。
焦っていると云えども、しっかり六時間仮眠は取っている。起きている事が出来ても、頭は途中で使い物にならなくなるので、睡眠を取る事には躊躇しない。無茶をしても結局効率は落ちる。

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クルマのナンバーまで判別出来る視力が無い為、自宅付近を汚い格好でふらふらしているところを、母のクルマと同じ色のクルマが側を通った時、無駄にびくつく。何となく、誰かに自分の買い物をしているところや外出を見られるのは、恥ずかしい。特に生活臭にまみれたドラッグストアで、化粧っ気の無い時は。

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耳栓をして作業する。PCのキーの音、時計の音、バイクの音、虫の鳴声、あらゆる音に焦らされて頭が止まってしまう為、音の無い世界に閉じ篭る事にした。聞こえるのは、耳栓から漏れてくる微かで鈍い音と、自分の心臓のごっごっという音だけで落ち着く。落ち着かざるを得ない、なぜなら落ち着かなければ余計に五月蝿くなるからである。勿論、心臓の音が。懸命に健気に拡大縮小する音が聞こえる。
一生涯頑張り続ける、健気な我が身体の力強さに感謝する。