アポロの夜.

同じ姿勢で同じ方向を向き寄り添う二匹の猫に視線を送る。何を考えているのだろう。猫の基準による、好き、とか、嫌い、を知りたい。到底理解出来ぬものかも知れない。

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野外でバスを待つのが、徐々に厳しい季節の到来か。後数分を待つのを止めて、次のバス停まで歩いた。丁度バス停の前にスーパーがあり、空腹凌ぎにチョコレート一箱を買いに入る。と、レヂから、バスが発車するのが見えた。
三角錐型で、上半分が苺味、下半分は普通の味の、御子様向けチョコレートをニ、三個掌に落とし、それを口に入れ、再び歩き始める。こんなに「アポロ」が美味しかったなんて、知らなかった。小粒を、かりこり、と噛み潰す。時々「このかたち」に会いたくなって買ってしまう。
食費を切り詰めていると、「空腹は最高のスパイスである」という云い回しが真実であると信じそうになる。

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練習しなければどうなりようもありません、と終に師匠から云い渡される。そうであろう。嗚呼。楽器についてだけお褒めに預かり、絃八殿*1は嬉しそうにしていた。

*1:私の楽器の名前