デラックス中華の土曜.

体育座りをして、ニ回分の再放送ドラマを観ていた。私を置いて、日は暮れて行く。ドラマに出て来るケーキがあまりに美味しそうなので、コンビニにティラミスを見に行くが、置いていなかったので苺味の板チョコレェトを買う。300kcal以下だと知って、いつかやってみたかった、板チョコ丸齧りをやってみる。ぽりぽり、と云う度に快感が訪れるも、あまりに苺味が美味しすぎた為に、呆気なく一枚、腹の底へと消えていった。

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板チョコ丸齧りを想うと、デラックス、という形容詞がなぜか浮かぶ。大きく出た、という印象なのだろう。更に、デラックス、と来れば、中華、と続く。
高校時代、高校に併設された大学内の食堂で、安くて美味しくお腹が一杯になるメニューとして、高校生に親しまれていたメニューの名は、デラックス中華、と云った。鶏の唐揚げがぼこぼこと積まれて出て来る点が、人気の秘密、だったかもしれない。平日は、わざわざ食堂に行ってゆっくり昼食を摂っている時間はなかったが、半日になる土曜の授業の後、時々誘い合って「デラ中」を食べに行く事があった事を、デラックス、と聞くと思い出す。
勉強と、漠然とした不満や不安で過ぎ去った三年間では終に、ルーズソックスを履く事も、スカートを膝より上に持ち上げて穿く事も、なかった。明るい紺一色のブレザー、ネクタイ、プリーツスカート(今にも無くなりそうなプリーツ)に、横長で金色の校章、という装いについて、多分他の人よりは良く思っていた。