眠気を誘う音.

出勤前の習慣で、早朝に目が覚めるものの、休日と分かり更に雨の音を聞いていると、二度寝三度寝、と再びずるずると眠りに引き込まれて行った。こうして昼近くまでずるずる行ってしまうと、一日中ずるずる眠いまま過ごさねばならなくなる。しかし、果てしない雨音が耳を、続いて耳の奥にある夢の世界を誘い、起き上がる気を失せさせるので仕方ないのだ。
空腹と若干の胃のむかつきできっぱり起きた後は、自室をざくざくと片付け、読み損ねていた雑誌の頁を捲る。
シナモンと蜂蜜を入れたミルクティーを作り、久しぶりに気に入りの茶碗で飲む。
しかし読むのは実用書、味も素っ気もなく飲み干してしまった。

いい匂いの蝋燭を灯そうとマッチを擦るが、火薬臭さが鼻を突く一方でちっとも炎が生まれない。マッチも湿気る季節になった。