気まずいふたり.

夏の写真集1.

未だ緑の紅葉は涼しげであったが、その葉の隙間から漏れる光が何とも、悩ましい程に暑苦しい。

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涼を求めて山の中の川へ、両親に連れられて出掛けた。
こう暑くては同じ様な計画を立てる人が多いらしく、バスは当然の様になかなかやって来ない。料亭の予約を懸念した父が、徒歩三、四十分の細道を歩こうと云いだした。相変わらず後方を省みない父の歩きっぷりに、料亭に到着したあたりで母の堪忍袋の緒が切れた。
焼きたてのふかふかした鮎や、すぐ側の山の斜面を闊歩する鹿の家族に、舌やら目を癒されるも、気まずい空気は帰宅後も消える事がなかった。
勘弁して欲しい。