私の息子について.

会社から申し渡された資格試験の勉強と、担当業務(PCをかたかた云わせるか、何通もの巨額の請求書を書くか、男性と会話をつなぐか)で配当された体力を一日一日と消費していく事に、勿体無さを感じる。が、そういう日々に暫く身を置く事に決めたのは自分だから、別段文句を云う気は起こらぬ。やりたい事があるのなら、時間を捻出すれば良いだけの事、多くの事を知りたいのなら、目の前の事から何か学習してみる事だ、という気持ちは忘れてはならない。

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妙な夢を見た。
夢事典を参照して解釈をつけてしまえば、何の事もなさそうな夢である。恐らく、孤独だの自己愛だの、欲求不満だの、という回答を得る事だろう。それでも、一日中その夢の印象に支配され、ふわふわしていた。
まだ見ぬ自分の息子らしき青年もしくは少年が、自分に会いに来たのだ。
他にどこに行けば良いのか分からなかったから、ここに来てみた、
と物静かだがしっかりとものを捉える事の出来る目を持った(しかし視力は薄いらしく眼鏡をかけている)、高校生くらいの男の子が、雪の中をこちらに向かって歩いてくる。彼を、とても愛しい存在であると、夢の中の自分は認識していた。
雪で真っ白くなった公園の前で、どういう訳か我々は一、二度キスを交わす。そのキスは決して、性的な感情を呼び起こすものではなくて、母性を感じる程愛しかった。
彼が自分の素性を口にする事は一切なく、感じた母性とやらもほんの小さなものだったが、その冷たいキスと瞳、口ぶりに、自分の破片を感じた。
もしも、何時の日か男の子を出産する事があれば、彼が口にしたその名前を、その男の子につけてやろうと思う。
急速に、子どもがいても良いな、と考える様になった。生まれる前から愛するだろう。それこそ、今から。
とても、変な話だ。