五山の送り火. 

大学に行く道から、大文字の山がよく見える。
今日は何だか、大の字がはっきりしているなあ、そういえばもうすぐ送り火だよなあ、と思っていたら、帰宅中、続々と道沿いの飲食店が出店を出し始めたので、今日こそ五山送り火の日、だったようだ・・・
見る予定をしていず、しかも混雑に巻き込まれる気力は皆無だったので、早々に京都を離れてきてしまった今日、8月16日だが、一昨年と昨年は、暇があったこともあり、一人で見に行ったことを覚えている。

一昨年・・・
京都御所に行くと、人気も少なくて落ち着いて見れ、場所の雰囲気も助けてそれなりに趣もある、と聞いたので、てくてくと見に行った。が、私は近眼なので、普段眼鏡を持ち歩く必要があるのだが
その日に限って持っていず、折角の大文字が「大」の字に見えない、とりあえず「山が燃えている」ことを確認出来たのみに終わる・・・不覚。(大の字に見えなかったものだから、「御所から見えたのは鳥居形かと思うんですけど・・・」と、御所という名スポットを教えて下さったある先輩に言ったら、「ユウちゃん・・・、御所からは「大」しか見えんはずやで(笑)。」と言われ、見えなかった悔しさもひとしおだった。五山の位置くらい、覚えておこうと肝に銘じた年・・・)

昨年・・・
原チャ等があれば、五山すべての点火を追いかけて見に行きたいものだが、私には自転車しかないので、ひとつの場所から、五山すべてを見渡せる場所、に行こう、と思い、この年は、船岡山へ。(西大路金閣寺の近く。毎度毎度坂がしんどい・・・)普通に見える場所に行くと、当たり前に混雑しているので、ゆっくりじっくり見ようと思えば、花火や花見と同じく、穴場を探すことだ・・・。(注:船岡山は穴場ではない。無茶をすると、山から転落の憂き目・・・)
五山すべてを見ることが出来る・・・といえど、暗いので、その山に点火されるのかよく分からない為場所取りは賭け状態である。しかも、点いてはいるがそれは、もう燃え尽きていく火なのか、これから点き出すのか、一見分からない。結局、間近で見たのが、左大文字と船形で、妙法は消えかけを・・・鳥居は終に見れなかった。しかしまあ、見れたことには変わりないので、或る程度満足出来、さあ帰宅・・・と思いきや、真っ暗な船岡山内を、出口と自転車を探してぐるぐる歩いていると
遭難した。

真っ暗で、水の滴る音しかしない・・・
何だか人を寄せ付けない気配もしている・・・
このまま、山に呑まれてしまうのではないか

と冗談抜きに怖かった・・・

昼間でも、船岡山(突如道を走っていたら山と急坂が現れる)付近は妙なニヲイがするのに、ましてや暗闇ともなると・・・
・・・よくも無事で出られたものである。
今後は一人で行くのを止すか、道がごく単純な場所にするか、せっかく洛北にいるのだから、下宿生宅で妙法でもお酒を呑みながら見物するかしようか、と思う次第。
お酒といえば、無病息災を祈って、盆に水(酒?)を張り、大文字を映して呑んでみたいものだ。


送り火をゆっくり見られる余裕が欲しい・・・・・・・(先祖さん、今年は見送れなくてごめんなさい)