財布に用が無い日.
使うにも使えるモノが、財布に存在しなかった今日は、ひたすら、
モノが無くても居場所を提供してくれるところを彷徨った。
文化施設
(廃校になった小学校を改装して、喫茶や展示、制作用になっている。
明治に建造された、かなり洒落た建物。
カリフォルニアのスパニッシュスタイルと云う建築様式だそうだ。)
のベンチで、数時間読書をして過ごす。
- 作者: ヴァージニアウルフ,Virginia Woolf,杉山洋子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/10/01
- メディア: 文庫
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煙草の灰入れが置かれているスペースなので
隣のベンチから、ときおり煙が流れてくる。
紫煙は秋の風にまぎれる為、こちらに流れてくる頃には
ほぼ匂いのみになっているが。
匂いは嫌いで無いので、やり過ごす。
…昔祖父が吸っていた煙草の匂いが、忘れられない。
肌寒く感じ始めたあたりで、其処を退去。
次は、本屋に行く。
(…決して暇なわけでも無く、直ぐにでも帰宅し
着手するべき作業に取り掛かりたくもあるが、気分が帰宅に向かない)
普段、堂々と長時間立ち読み出来る度胸が無く、必要も無い
私であるが、(本は手に入れて、腰を落ち着けて読みたい。
少々の立ち読みは、品定めに)
時間は有ってもお金が無い本日、
書店には申し訳無いのだが、存分に立ち読みする事にした。
…長くは続かなかったものの、
雑誌(放浪、観光用に)と或る作家の新刊を、立ち読んでみた。
穏やかなジャズ風の音楽が、居心地良くさせるのか、
新刊に滑らす視線が途切れない。
(良い気分・心地での本選びと長居を狙ったBGMセレクトが行き過ぎると、
立ち読み人口が増える、という事を体感。
あと、近眼と腰痛持ち、大荷物持ちには、平積みは辛い。
<しかも大抵位置が低い
そして、平積みの上は高すぎる棚が聳え立つ。
そんな店に限って、梯子も踏み台も無い。
踵を浮かして本を取ろうともがき、挙句の果てに取れない時の
恥ずかしさといったら…)
店内が混雑し始めたあたりで、其処も退去。
次は…図書館に、と思ったが
(前述の『オーランドー』を読み進めたいが為。面白く、熟読を要する)
いい加減小腹が空いた(モノが無いので、珈琲一杯も呑めない訳で)
のと、作業が気になったので
(余り出歩き続けると、作業を進める体力が帰宅後残らない)
帰宅する事にし、電車に乗り込む。
…と、嫌な響きのベルが鳴り、電車が走行途中で止まった…
人身事故らしい。
お金が無い日(※三度の飯は支給)、過ごし方を深く考えずに居ると
読書に走るらしい。
何かお金が必要になる事態に遭遇しなくて、本当に良かった。
今日のような「道楽」は、未だ親の脛を齧っているからこそ
実行出来るのである。暢気過ぎる。
…時間を作って働け、私。