へたれる.

自宅の居間に炬燵がいつの間にか入っている。
ぬくぬく…深夜作業中の私の家は、炬燵にしよう。

嗚呼、疲れた…
仮眠後一睡もせず授業に出る、という日々が続きそうだ。
確実に美容と健康を損ねそうな気配であるが、
朝きちんと起きられない私には
寝ないで居る事が一番な気がするのだが。

無気力と共に押し寄せるもの、といえば、鬱である。
どうも私は、鬱気質らしい。
悩み事や鬱憤を、なにものかの所為に出来たら楽なのだろうが、
すべて自分が悪いようである為、何の解消にもならない。
悲劇に浸ること、も好きそうだ。
アンニュイでも、メランコリーでも、センチメンタルでもない…「鬱」なのだ。
この感じ・漢字は、日本独特の様相なのかもしれない。
…とか、ぶつぶつ云いながら、
諸々の半ばどうしようも無い悩みを反芻するドーブツ。

ひとを信頼する力が、無い。
余計な条抜きで、素直にひとを受け入れ、信じ、
たまに裏切られても、ひとを信じることを止めないひとになれたら、
どんなにいいだろうか。
……否、果たしてそれが「いい」かどうか知れないけれども。
ひとを信頼する事、ひとに何かを望み任せる事、そして
ひとを自分から好きになる事
というのは、エネルギーを必要とする、と思う。
ごく自然な仕草で、以上のようなことをクリア出来るひとも居るに違いない。
でも、そんなひとにしたって、ひと関係の苦労はあるだろうし、
やっぱり「しんどい」と言って怠け呆けている私が、へたれ性なのだろう。
と、考え続けると、
思考は球体に丸まり、その中で更に円を描き、止め処も無く円循環し
転がり続ける憂き目に遭うのだ。
まるで、ヨーヨーである…

みんなみんな好きなのに、どう付き合ってよいか、どこまで信頼していいか、
どこまで我を出していいか、全く分からない。
そうなれば、すでに「輪」の外、
居場所と思っていたところは、ベニヤ板一枚で出来たセット、
或るコントのように、衝撃を与えると、私の頭上に降って来るのだ。

人間失格である。何とかしたい。

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今日夢中になった事は、
・楽器磨き(垢と指紋がとても気になる。自分のでさえ)
・ピックを尖らせる(楽器を弾く時に使用。鼈甲製。)
・昨夜見た悪夢を反芻する
・楽譜を写して、楽譜を作る
 (写譜という。どれだけ綺麗に書けるかに、人生を賭けたくなる馬鹿)
・専ら鬱な物思い

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悪夢はむしろ、安心する。
なぜなのか、未だ思案中。


……今日の日記は、黒い。

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そして、昼間も延々黒いままで居続けることになる(なった)…
後輩、指揮者さんごめんなさい。
せめて人と接している時は、ご機嫌良くしていたい。
不機嫌をぶつけるなどと、甘えた調子はいい加減に止そう。明日は頑張る。

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ここ数週間、
雑誌「ダ・ヴィンチ」のweb版で公開、毎週金曜更新の
角田光代の本にまつわる短編。
この方の作品は、恋愛と日々についての素朴なものがほとんどだと思うが、
まだお若いということもあって、読み手の「内部」によく浸透する。
それだけ、私達がふと感じる生活における些細な事を書き取る、技術がある
ということだろう。
(「フリーター小説」と呼ばれ、フリーターと家族に関する作品が多い、
と分析されているようだ。ご本人も自覚的に、著しておられる)
…作家と年齢が近いが故、の見解かもしれないが。
若いってなんだろう。

若いね、
と云われて、「若い」ってなんだろう。
そんなに「若い」かなあ、
と、その時時思うけれども、
数年後にその時の事と自分の状態を、薄い記憶を辿って思い返してみると
(私の記憶、は断片的で、断続的ではない。記憶力が乏しいのだろう)
確かに、若かった…青かった… と思えるものらしい。
そう思うにつけ、こうやって過ぎていく一瞬一瞬のうち、
どれだけ自分は成長出来るか、と思うのだ。

明日も、頑張ろう*

(…後数分で、角田さん小説の公開。今週も楽しみ)