息.

今日、或る音楽番組でピアニストが、音楽を表現する上での、息づかいと「間」の大切さを説くために、「世界で最初に現れたものは、神の息でしょ。息が無くちゃ、音は無いわ」という趣旨の事を云っていて、感銘を受けた。他に、身体、とファンタジー、が大切、と云う。自分の殻に閉じこもるだけの音楽ではなく、聴く人とのコミュニケーションと、音楽(曲)自体が持つ内容も、大切に。
音楽は、ヒトによる一つの行為なのだから、音楽に対峙するという事は、ヒトに対峙する、ということ。それは、簡単だけれど、難しい事のように思う。「生」と「死」のみ持ち合わせている、という、生き物の理を見るにあたっても、その厳格な規則は、本当に単純であると同時に、複雑で深遠だ。

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今まで時計無しに生活する、という、恐らく世間的に有り得ない調子でやってきていたが、やっと時計を購入する機会に恵まれた。一つ一つ手作りでシリアルナンバー入り、というものを選ぶ。もの一つを大切に、という気持ちで、明日から装着して暮らす。

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老舗珈琲屋が、通学している土地にはなぜか多い。この土地に限ってでは無いのかもしれないし、その店が全国で名の通る名店なのかどうかは定かで無いが、もし全国レヴェルでこの土地の老舗が「名店」とされるならば、水が美味しいからかも知れない。…特別豆が美味しい…という事は無さそうだが。或いは、昔から文人や著名人が集まる土地なので、味やこだわりが洗練されている、という推測も可能か。
この土地に何店舗かそれぞれ構えている老舗に(マスター一人で切り盛りしている老舗は、さすがに若造なので入れない)、ふらりと入り、その店店自慢の珈琲をいただく方が、新しいカフェに入るより、くつろげる。老舗ならではの落ち着きが、他の喧騒を遠ざけるのか。…または、私が保守的なのか。

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息づかい.