翻訳困訳コニャック.

昨日、引退したクラブを少々覗きに行ったら、レスピーギリュートの為の古代舞曲とアリア」*1を練習していたので、先だって図書館から借り出していた、レスピーギ:交響詩 ローマの噴を聴く。他の作曲家には無い、多彩な音づかいが印象的だ。絃より管楽器の音が良く使われている様な気がする。聞き応え、というよりは、楽しみを期待して聴き込みたい。

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散歩しよう、と意気込んだ時や、何となく身体に「空洞」が有る時放浪してしまう通りがある。程なく歩けば繁華街に出る通りであり、その繁華街が現在程派手に開けていなかった時代は、その通りは「一体に賑やかな通り」であったらしい。有名な老舗が、今現在でもその通りに残っている。が、今では「失われた賑やかさ」と「賑やかさの影」のある通りに収まっている。夜になれば店は、夜更かし癖のある通行人を遺して早々に寝入ってしまい、趣のある街燈の灯のみが賑やかである。賑やかな通りに面していながらなぜか或る「八百屋」その一軒にだけ有る暗さを楽しみに、昭和の小説『檸檬』の主人公或いは恐らく其の作者本人などはその通りを放浪していたのだが、現在はその付近全体が、不思議な暗さを帯びる様になっている。余りにも茫としていると、知らぬ間に昭和に戻ってしまうのでは無いか、とごくたまに恐怖に襲われるが(タイムスリップなんてのは私にとっては恐怖でしかない)、景色と風景と空気を感覚器で受容しながらも、思考ベクトルは何処か別の世界に向けている事を許容してくれる放浪先は、なかなか其の通りのほかは数少ない。・・・今後見つける予定だけれども。
ちなみに、梶井基次郎と『檸檬』は数年前から好きで、その短編集は思い出す度に手に取っている。

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今日の読書: 新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)中収録、『セロ弾きのゴーシュ』*/ 今日食べたいもの: ホンヤクコンニャク (ふつうの蒟蒻味) / 今日の楽器練習時間: 四時間強(暇が無い) *何人かの知り合いのセロ弾きを思い出し重ねながら読んで居たら、思わず笑いが込み上げてきた。

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温度が高い飲み物を入れる器は、中身が早く冷めるように薄く、温度が低い飲み物用の器は、冷めにくくする為に厚い。カフェオレボウルなどは、その為ぽってりしている。 がしかし普段等は、気に入りのカップをどんな飲み物にでも使う方が、落ち着いて良い事もある。

*1:リュートで弾かれた古い曲を、オーケストラ用にレスピーギが何とか書き起こしたもので、他のクラシックとは異なる味わいをもつ