生き急いで.

知人と久々に会う予定がキャンセルされ、暫く呆気に取られて寝台に横たわる。空いた時間をどうしようと考えるだけで時間が過ぎていってしまう事が、悔しい。とりあえず本日返却締切のCDを図書館に返しに行かねばならない。そこからは…別に暇な訳では決してないが、やるべき事の優先順位が、うまくつけられない。そんな時は「とりあえず」をしながら「次」を考えるしかないらしい為、とりあえず徒歩五分で図書館へ行ってみる。
図書館へ行くと、何冊かの読みたい本と聴きたいCDが発見出来たので、今日はインドアの趣味の日にする。

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絃を換えたら、楽器の調子が悪化した、とは何事だ・・・音が気持ち悪くて泣きそうだ。

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二つの眼鏡を、自宅用と外出用を分けて使用している。自宅用眼鏡は、結構良い値段のものでかなり軽く掛け心地が良い。がしかし、外出するには古臭いデザインである為、安価でもデザインは気に入りの眼鏡を外出用にしている。こちらは安価なだけあり、掛け心地はあまり良くない。生活必需品の使い勝手というのは、やはり値に比例するのか。
ちなみにコンタクトレンズは、ずぼらな私には間違いなく管理出来ない。

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ヴェルディ:序曲・前奏曲集をループさせながら、なぜだか借りた休んだ日に席がえ?!ふかわりょうの本(店頭に並んだ当初、購入しようかどうしようか散々悩んだ末、しなかった)三冊をめくる。一冊目と二冊目でネタ(「憤り」「気まずい」「寂しい」「幸福」のシュチュエーション集)が被っている点を除けば、期待した分ちょっきりの楽しさがあるが、三冊まとめて読むと、脳がオーヴァーロードを起して頭痛がし出す。或いは、いっきに読むと勿体無い。
パガニーニ:カプリース やはりパガニーニは聴いて楽しい。 以前楽譜を見ただけで投げた、と書いた気がするが、投げて正解だった、と実際に聴いて思う。ヴァイオリンにとっての難曲は、マンドリンにとっては超絶技巧曲である。この方のヴァイオリンは、一音一音鮮明でしっかり音がする。曲自体の造りは兎も角、音自体の美しさと楽しさを味わいたくなる演奏、と感じた。

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ルードウィヒ・Bを図書館で目にした瞬間に手に取り、貸し出しカウンターに運んでいた。ベートーヴェンに関する書籍に当たり始めて日が浅い為、この漫画の何処までが創作であるのか分からないが、この「楽聖」の凄まじさと気性、出で立ち(背が低く・・・といっても漫画では誇張されているが 、メデューサの様な髪、目つき)が非常に良く描かれているのではないかと思う。作者、手塚治虫の急逝により、ピアノソナタ第14番嬰ハ短調op.27-2(「月光」)を愛するひとの屋敷の側で弾く、という場面で未完に終わっている点が本当に悔しく思う。作家や批評家が文章により曲の解釈を発表する様に、この偉大な漫画家は曲の解釈を画により表現している。「月光」の画等、まさにその曲を聴いているかの様な心地になる程、素晴しい。氏のベートーヴェンへの想いは如何程であったか、とも考えさせられる。 ちなみに、手塚氏晩年の作である為、力の抜け具合が良い味を出していて、それが快適な雰囲気を醸し出しながら、ところどころ笑える箇所も窺える。ヒョウタンツギも勿論登場・・・

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事を失う時の速度ははやく、事を得る時の速度は本当にゆっくりである。
演奏技術においても自我についても、進歩を望み模索するが、毎回センチ単位(ひょっとするとミリ単位、時に零かマイナス)でしか前に進まない。それでも何か得ているのであれば、無欲に模索を重ねていこうと思う。

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Durch Leiden Freude.
--悩みをつき抜けて、歓喜に到れ! (L.V.Beethoven)
正直と誠実.
「人間よ、君自身を救え。」