Mr. Innocence.

君へ. 嗚呼、
違う「世界」に棲んでも良いですか?

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夢を何本か見た。
この年にして、不治の病(心臓が悪いとか癌だとか、出てきた医者が云っていた。--粗忽だけれど善い医者)にかかり、大きな注射を何本も打たれ点滴を差し込まれ、痛みに耐えながら(横になっている訳では無く、なぜか普通に生活している)生きている夢を見た。「この年で死ぬらしいけれど、何かやっておかなければいけない事はあるか」「もう死ぬ、って残念で寂しい」と、夢の中で考えていた様に思う。
その後見た夢は、暗い部屋(最初は学校の教室だったと思うが、次の場面では自宅の台所に移っていた)に引退したクラブのメンバーと共に詰めている。外は凄い嵐で、立て続けに雷が鳴っている。そこへ突如浸水と洪水が起こり、悲鳴があがる。洪水の波に飲まれながらも、脱出しようとする私は、一度玄関まで辿り着くが、そこで一声「マンドリン!」と叫び引き返す。どうやら、居間に置いておいた愛楽器を洪水から救出する事を思い立ったらしい。仲間のひとりでも助けたらどうか、と夢の中の自分も思ったらしく(楽器を取りに帰った時点で、もう仲間達は何処かに消えていた)、罪悪感に駆られて玄関から外に出ると、先程の天候とは打って変わり、晴天で乾いた外が見える。と、横を向くと、母が座り込んでいた。出てきた私に気がついた母は私に、車の鍵と自宅の鍵がついたキーホルダーを渡す。・・・手つきに力が無い。「え?」(これでどうしろと?私運転出来ないよ?)という顔をして母を見上げると、もう長い間洗っていないと見える煤けた顔と髪、頬がこけて力を失った顔をしている母が、力無く笑った。「どうしたの?皆は?どうしてそんな顔してるの?」と私が尋ねると、母は声が出ないらしく、口をぱくぱくさせながら目で語る。私の頬を指で突付き、健康具合を確かめながら(羨んでいたのだろうか)「皆は向こうにいる。向こうに行けば、どうしてこんなのなのか、分かるから」と母は目で云った。・・・
一人で死ぬ事、一人で生きる事、究極の状況の夢を見た。今現在、平穏無事に生きている事の幸福さ、ただただ時間を浪費している事の勿体無さ、両親への感謝を思う。 そして、どうして今私はこんな夢を見たのだろうか、どうして私は自分にこんな夢を見させたのだろうか。「不思議」で片付かない何か、の答えは出ないままである。明日は良い日に。

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楽器店に、楽器の修繕に運んだところ、少しマシな音が出る様になった。
楽器を弾く時、身体(腕、指等特に)の脱力が重要になり、極力脱力して弾く事を心掛ける所為か、楽器を弾くと多少気分的には楽になる気がする。・・・そのうち眠くなる時もしばしば。しかし結局は、身体に悪い姿勢で何時間も弾く為、身体のあちらこちらは凝り固まってしまうのだが。