レエルロオド ソング.

火傷した左の親指の痛みが取れない。熱冷ましのシートでも貼って外出するか。コンチェルトの合わせ練習も含め、今日は楽器を弾く予定であったのに、これでは集中出来ない。
プロであれアマチュアであれ、楽器弾きにとっては手は命である。気をつけよう。
痛い……。迂闊な事をしてしまったなあ。
何時間か冷やしていると、痛みが取れ、練習は何とかなった。人に合わせて弾く事と、色んな音が交じり合う練習場で弾く事は久々だった所為か、なかなか集中力が立ち上がらず、なぜか手が震えた。

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「歩き続けたい」、と思う気持ちが勝り、結局「裾を引っ張って」「立ち止まりたい」と云えなかった。結局伝えずには居られない事だけを、簡潔にまとめてメールで送る事にした。
ひとには、遠慮すべきでない、遠慮する必要はない、と分かっている一方で(遠慮し合う事が浸透してしまうと、終には関係が成り立たなくなる)、何でも云って良い訳ではない事は知っている。遠慮とは違う、「云う必要のない事」や「自分で密かに解決すべき事」はあるのだ。ただ、誰にも相談出来ず、手が冷たくなるまで困憊してしまった時に限り、「ただ静かに聞いてもらうだけ」という条件付きで、その「規則」を破る。
いくら注意しても、相手にぶつける言葉には、エゴが混ざってしまう。よって、必要以上にエゴを相手に浴びせ掛けてしまわない事。所詮は、どんな言葉でも(例外はあるかどうか、知らない)、自分が楽になる為に吐いているに過ぎないのだから。…もしくは、「他人の都合なんて知らない」と諦めて楽になる方法もある。度々はその方法を取っても良いかもしれない。

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今の自分は、以前好きだった人と同じ事を考え、悩み、実行に移そうとしている。その事を未然に気づく事が出来た事が、不幸中の幸いだ。不幸、というのは、このまま行けば、自分とひととの関係がどういう顛末を取るのか、知っているからである。自分の属性は変えられないし、好きだった人とは似通った属性を持っている事も紛れもない事実だ。しかし、もうすでに知っているのだから、路線変更は容易い。
果たして、自分はどう、変更する事が出来るのだろう。