knife.

なんだ、気分と集中力次第なのだ、結局は。

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やるべき事が山と有る時、という日は、余計な事を考えずに済む。ただただ、翌日の講義の準備をするべく、教科書に赤鉛筆で線を引いていた。もともと筆圧が濃い所為で、無駄にすり減っていく赤鉛筆を、カッターナイフで削り尖らせる。削りすぎてしまうと、「線引き」を再開した時、柔らかい色鉛筆の芯はぽきっと折れてしまう。そしてまた、削り直しをする。削りかすを落とす紙の上に、赤い塊が溢れていく。何も考えずに、紙の一点を見つめたまま削る。削り過ぎる。鉛筆は小さくなっていく。赤を見つめていたら、情緒が揺らいでしまった。
サッカーの試合を観ていた。彼のひととの話題作りの為が第一の目的ではあるが、観出すと夢中になる。