或るクッションの生涯について.

先日、いつかのセッションの打ち合わせの為に、野外で楽器を弾いたのだが、その時無数の蚊に刺された箇所が未だに痒い。今年は去年と違い、部活を引退した為野外で練習する機会が滅多に無く、蚊の集中攻撃を受ける事が少なかったのだが、先日たっぷりきっちり今年分刺された様な気がしている。冷たい痒み止めが手放せない。
大学から離れた野外で弾いた事は、初めてかもしれない。普段は恥ずかしくて、人前で弾いたりはしない。古都の名所の一角、片隅のベンチを借りて、周囲の迷惑にならぬように、慎重に音を扱った。案外気分良く過ごす事が出来た…のは、当事者だけだったかもしれない。そしてその寛ぎは束の間で、蚊の襲撃に大騒ぎする羽目になったが。木蔭の先客は斯様に手強かった。

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先日購入したしろいふあふあのクッションカヴァアの中身を、新しく購入してしまった。洗える寝具(寝具周辺のものも含む)は嬉しい。常に清潔である事が良い。
今まで置いていたクッションは、すっかり煎餅化してしまった。クッションはそもそも尻に敷くものではないのに、たびたび敷いていたものだから、座布団の如く薄さになった。よっていっそ今後は、「敷く用クッション」として活用する事に決めた。同時に、新しいクッションこそ、クッションらしい生涯を末倒させてやるべく、かなり過保護に扱う決心もした。

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楽器を調整に出す。暫く放置していた為に、少し調整すれば随分違う箇所が有った事を知らないでいた。恐ろしい。すっきりとした音が戻ってくると良い。
その後は、彼のひとと放浪しながら、喋る。いつもながら、こんな時間の使い方と雰囲気に、そのひとが満足しているのかという事を不安に感じ、「楽しかった」という内容のメールに対して、「ほんとうに?」と訊き返してしまった。大丈夫、気にするな、と諌められたけれど、情緒不安定の所為もあり、その言葉を信じる事が出来ずに、鬱を引き摺った。疲れていたのだろうか。