allegro non troppo.

そんなに性急でなく。

      • -

早朝から真っ白な気持ちで、楽器と勉強に取り掛かった。良くも悪くも真っ白であるが、そのうち「色」が差し込んで来ては、また抜けて行く。どの「色」を取り込んで良いものやらよく分からない。
金魚掬いで掬われて、無配慮にバケツにいれられた赤い金魚の如く、息苦しい様な気がする。どう「呼吸」して良いものやら、又、よく分からない。

      • -

楽器の弦を張り替えてやる。弦が新しくなると、楽器の良い音に私は上機嫌になり、練習が捗る。が、まずは気持ちの転換だけで、技術自体は相変わらず進歩があまり見られない。

      • -

夏期休暇は後一ヶ月有るが、夏はもう終わる。そろそろ気持ちの切り替えをせねばならぬので、明日からきちんと早起きをしよう。自堕落な自分は、自信を無くす素である様だ。

      • -

街で、以前好きだった人を見かけた。相変わらず彼の「首の動かし方」には妙な美しさが有る。美を重んじる(自己のそれも含む)彼らしい、と云えば彼らしい。

      • -

会って直接話をしないと、何も整頓出来ない。或いは、会えば話をせずとも、それで何もかも、自分の中では解決するのかもしれない。メールでいくらカヴァアしたところで、すれ違って行くばかりだから。
旨く言葉を操れなくとも、想いが伝われば(伝える事が出来れば)良いのに、と思うが、やはり大抵の場合、所詮は言葉にしないと伝わらないらしい。それは、いくら言葉を駆使しても、本当のそれを表現する事は出来ないのにも関わらずだ。素直でもなく、正直でもなく、大胆でもない私には、言葉を吐き出す事は重労働であるが、けれども頑張らねば仕方が無いのであろう。
それでも、態度で察してくれればなあ、という望みは、叶いそうにないけれども忘れる事が出来ない。


…そんなに速くなくて良いか。