猫になりたい.

あじあんじぇんふーかーねーしょん。

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洗髪、手入れ後、何の計らいもなくタオルを被っていたらば、気づくとオールバックになっていた。…今日はオールバックで過ごすか?

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色素の薄い白いライオンの共同体、飼われていた家から逃げ出したインコの共同体、についてふと想う。どちらも江国香織の小説で知った。実在するのかどうかは知らない。江国さんも、そんな「離れ共同体」を想う事がよくあるのかどうか、と。

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猫になりたい。時々ひとり時々ふたり、時々はなれ時々甘え、が良い。
ひょっとして、私の前世は(「前世」等と云うものがあるとすれば)猫だったのでは、と思った。

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古都で最も古都らしい場所を歩く。相変わらずの気温に閉口したが、立派な木々と弱弱しさに物悲しさを感じる蝉時雨の所為で、心なしか涼しげに思えた。しばらくベンチに腰掛け、木や盛んに飛び回る虫達を眺めていたが、不意に、今では忘れたい記憶がやってきて、その記憶は私の目の前にあった現在を覆い隠してしまった。思い様によっては「思い出」という良き過去に成り得るその記憶は、どうしてか現時点では「失いたい記憶」「私を盲目にする記憶」という邪魔な過去になってしまった。
「忘れたい」と思う事を、そう思っているうちは大抵忘れる事が出来ないのは当たり前だ。「忘れた」と思っていた事が不意に再生するのが質が悪い。

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雀が食べたい。やたらと焼き鳥屋の匂いに惹かれる。
晩年くらいはベジタリアンで良いか、と思う。(老いていく者の為に、何かをわざわざ殺してそれを取り入れる必要もない、と今は考えているが、いざ年齢を重ねてみると、最期くらいは美味しいものを豪勢に食べ散らしたいと思っているかもしれない。)すでに、獣肉はあまり口にしなくなっているが。…しかし口にしないのは、生理的に受け付けないだけであり、「道徳的に」とか「ポリシーで」とかという訳ではないので、ベジタリアンとは違う。