sweet bitter.

台風が来る。
BGM:「低気圧ボーイ」(山崎まさよしSHEEP) 夏の終わりに台風が来て、昼間から雨戸を締め切り、光は小窓から洩れるだけで薄暗く、蒸す自室で、ラヂヲを流しっぱなし、書物を開け寝転がっている時、なぜか浮かんでくる曲

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シンプルなひと、という様にひとを形容しようとして、はてな、と思う。
「シンプル」のキーワードを辿っていくと、一言「単純」と書かれていた。シンプル=単純という定義づけは、何かなぜか引っ掛かる。「単純」という語の印象はほとんどマイナスだが、「シンプル」と云った場合何となく日本語ではプラスに聞こえる。以下、Longman Dictionary of Contemporary English Online上のsimpleの定義である…

1.easy: not difficult or complicated to do or understand
2.plain: made in a plain style, without a lot of decoration or unnecessary things added
3.only: [usually before noun] used to emphasize that only one thing is involved
4.nothaving many parts: made or built of only a few parts, and not having a complicated structure
5.ordinary: honest and ordinary and not special in any way
6.grammar: technical simple tenses are not formed with an auxiliary such as 'have' or 'be'
7.the simple life: life without too many possessions or modern machines, usually in the countryside
8.stupid [not before noun]: someone who is simple is not very intelligent

8の様に、マイナス扱いの「単純(バカ)」という意味は、原義にもちゃんとあるらしく、恐らく英語でsimpleという語を用いて人を形容した場合、stupid(愚かな、馬鹿な、知性に欠ける)という意味になるのだろう。要注意だ。日本語でシンプルなひと、という形容は一般的に、果たして失礼に当たるのかどうなのか(良くも悪くも、と云いたいのが本音なのだが)。

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台風の日は読書、と決めている。台風の日は読書に決まっている。たまには映画、で過ごしてみたいとも思っている。なぜそうなのか、と考えてみると、低気圧の所為で頭痛がし出すからだ、頭痛がし出すと身体までだるい気がし出す。
台風がきつくならないうちに、図書館に行き本を借り込んで来た。江国香織の単行本を数冊他、そのうち二冊を今日中に読み終えた。雨はコーラがのめない音楽と犬、という組み合わせのエッセイは私にとって意外だった。犬を飼った事が無い為「犬が或る音楽を気に入る」という事態が分からないが、当たり前の事なのかもしれない。動物なのだから、快と不快は有るはずであるし。「ベートーヴェン」という映画を思い出した。スイートリトルライズスイートでビターな印象を持った。その恋愛は「嘘をついている」「嘘に気づかれているか否か」というスリルによる錯覚か、実像か。その夫婦仲の希薄さは、相容れない質の所為か、似すぎている所為か。結婚とはスイートでビターだ。

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「〜は(とは)…だ。」と云い切る事は格好良く、時に云い切りが理解の助けになる事がある。がしかし、それがすべてではなく、「奥」には自分で引っ張り出して理解しなければいけない事が無数に隠れている、という事を忘れてはいけない。