電子レタァ.

メールは手紙ではないから、貰って嬉しかった内容をいつでも読み返す事が出来る訳ではない。当たり前の一般論だが、「ずっと保存したい」「あの言葉をもう一度」と思う事柄に接して初めて、その論が事実だという事に気がつく。口から発せられた言葉は跡形もなくすぐに消えてしまうものであるから、言葉は本来すぐに消えゆく質の存在なのであろう。それをとどめておこうとする事の方が、実は贅沢で無理な事なのだ。けれども、と思うのが人間で、無形を有形に、書きおこすという方法を編み出し、贅沢をものにする事が出来た。
メールは手紙よりも会話に近いのだな。
それにしても、メールを編集して紙におこす事の面倒くささと恥ずかしさと言ったら…!と、要は「面倒臭い」と云いたかったのだ。暫く電子受信箱住まいで居てもらう。