読書をひねもす.

箪笥のなか』を読み、楽器を弾き、メール等の確認をしていたらば日が暮れた。
うかうかと本を読み始めてしまうと、読み終わるまで手放せなくなる。長篇を読むならば、一日を読書で潰す覚悟が必要、と肝に銘じた。よって読書にあまり時間を割けない近頃は、短篇か中篇(200、300頁程度の文庫本)、章毎に一応の完結が見られる本ばかり選んでいる。フィクションは気分転換に、随筆やエッセイは気力回復または忠告代わりに読んでいる事が多い。
メールは今や、電話から確認し返信まで出来るのだから、便利になったものだ。PCを立ち上げる気力のない日でも、就職活動中はメール確認が必須である為、布団の中で電話をいじって眠る。しかし、そうして寝床にまで作業を持ち込むと、私の獏(甘党である)が好むような良い夢は見る事が出来ない。

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ここ一ヶ月の楽器練習課題はポジション移動*1で、まだうまく出来ずに音を外してばっかりいる(それは、方法が間違っているからなのだが。移動の間隔と速度を把握出来ていない所為で、移動「し過ぎて」しまうのだ)。それが余計に「下手くそ」演奏に聞こえ、無性に腹立たしい。

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箪笥のなか』は、古い箪笥を貰い受けた「私」と、他の人には感知出来ない「何か」を感知し「何か」をいつもくっつけて来てしまう「私」の弟が、例の箪笥に振り回される話である。その箪笥はひとつの抽斗を除きすべて蝶の金具がついており、その「ひとつ」だけという抽斗には蝙蝠の金具がついている。この抽斗が謎めいていて、鍵が開かなくなったり酒を呑んだり、結婚相手を探していたりするという、なかなか気難しい抽斗なのである。
章毎に完結する小説ではあるが、次が気になり一旦開くと最後までどうしても読みたくなってしまう。

*1:フレット(指板)を押さえれば音が出るのだが、フレットを押さえる為に使える指は4本しかない。指を置いている位置(ポジション)からは届かない或いは不都合な位置にあるフレットを押さえたい(音を鳴らしたい)時には、手ごと押さえるのに都合の良い位置(ポジション)までスライド移動させる