連休の空気を吸う.

uopus2006-04-30

図書館に行く為に、繁華街を歩き抜けていたらば、人ごみから「浮いた空気」がこちらにまで流れてきた。こちらは連休なんてない気分で、そして連休である事が憂鬱な所為で、そそくさとその場を去る。唯一の楽しみと云えば、明日映画の日に便乗して「リバティーン」(J.デップ出演 17世紀イギリス放蕩詩人、第二代ロチェスター伯についての映画)をひとり観に行く事と、講義資料探しがてら古書市に行く事くらいである。後は専ら、就職活動か論文購読をせねばならない。
作業を進める事は悪くないのだが、何が鬱なのかというと、自宅に閉じこもらねばならない事と、外出すればしたで世間の「お祭り気分」に塗れねばならない事なのである。

                        • -

ひとを呼び出し(彼の自宅は図書館の最寄り駅の数駅先であるので、呼び出し易い)喫茶店でコーヒーを飲み、図書館に付き合わせ、帰宅する、というだけの一日だった。喫茶店の雰囲気は落ち着いていて、図書館帰りの休憩に利用したい、と思わせるものだが、コーヒーの味については、私が煎れた方が美味しい様に感じられ、その点だけ残念である。

                        • -

今日の読書:『ロチェスター卿の猿―17世紀英国の放蕩詩人の生涯』映画の予復習がてら読む。今よく書店に並んでいるグレアム・グリーンの著作。詩集の翻訳は出ていないのが残念だが、「涜神的で淫らな」この詩人の作品を誰も翻訳したがらないとすれば、それも頷ける。英語贔屓の澁澤龍彦的存在がいらっしゃったら、是非ともお願いしたい。私程度が持っている知識で以ってペーパーバック版を読んだところで、隠語を理解出来ずに放り出すのが落ちだろう。
商品券を母にもらったので、そろそろ品切れになりそうだが比較的高価で手を出さずにいたマックス・エルンスト百頭女 (河出文庫)』『慈善週間または七大元素 (河出文庫)』を思い切って買う事にする。どちらもキャプション付きのコラージュ作品である。シュールレアリスムは何だかよく分からないが、何だかよく分からないのにも関わらず惹かれる。