と ろ う !

企業説明会の為に都会に出る。営業のスタンダードな方法をかなり詳しく説明していただいたので、就職活動用メモではなくて、普段使いの手帖に書いておく(真実の程は分からないが)。また貴重なメモが増えた。
その帰りに、故障中のPCを修理に出そうと思い、芝本さん(PCの名前)を連れて大型家電量販店に行く。が、30分の相談に約2500円かかるとの事なので、少し足を伸ばす必要があるが、製造元が設けている窓口に行く事にした。しかし汗を掻きかき、バッテリーを抜いても重い芝本さんを抱えて所在地に行ってみると、確かに住所として記載されている場所は、丁度取り壊し工事の途中だった。まさかそんな事は、と思い、付近の地図や住所のプレートで確かめても、やはり目的地の住所は正に工事現場と一致する。
「徒 労」
とろう、という二文字が頭に浮かんだ。やれやれ、こんな事もあるんだなぁ、と諦め、ショベルカーを一度見上げてから退散する。駅に向かう道に古本屋があった。一冊50円、三冊100円のコーナーを見ると(いくら汚らしくとも、見ずには居られない性分になってしまった)、読んでみたいが「手に入りにくい」と聞いた事のある作家のもの、文庫では絶版になったもの等が積んであったので、100円を支払い三冊持ち帰る。こんな一日でも、良い事はあるものなのだな、と茫として電車に乗り込んだ。

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蝶の骨 (徳間文庫 411-1)』を読む。「<蝶>になった女は、甘美な復讐に酔う」という妙なキャッチコピーがついた本で、最初から7、80年代のエロ臭が漂っている。文章には端的でありながら、しっかり「味」を伝える良質さがある。筋、特に結末が気に食わないが、それ以外の点、雰囲気等は気に入った。