塊になる.

就職活動で浜松に行ったひとが、「うなぎパイ」をお願い通りに買ってきてくれた。しかも、ブランデー(V.S.O.P.)入りという特別仕様である。「うなぎパイ」は「夜のお菓子」と銘打たれている事で有名だが、「ブランデーうなぎパイ」は「真夜中のお菓子」となっている。成る程、大人の寛ぎ風味である。封を開けた瞬間、ブランデーの甘い匂いが立ち込めて、それだけで良い気分になった。私同様ひともお酒が好きなので、五枚中一枚をお返しする事にした。が、行きしな暑さで蜜が溶けてしまわないか心配だ。
少し元気を失っているひとに、パイのお裾分けと一緒に、大学の購買部で買ったお菓子セット、「元気出してね」と書いた紙を忍ばせておいた。
意外にお菓子が好きらしく、見つけて喜んでいた。元気出ました、有難う、とメールで返ってきたので、ほんの少し安心した。
どうせありきたりな事をするなら、少しばかりの「驚き」を仕掛けた方が、お互い楽しい。

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髪を切った所為で、ひっつめていた頃と違って、首周りが暑苦しい。毛足の長い犬の気分である。

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近頃時間が作れず、好きな地区に行っていない。特に用がないから、とも云える。
特別好きな場所、「心地よい」と感じる場所には、自分と似た感性の人が集まる。と先日読んだ本に書いてあった。

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時間が無い、のではなくて、時間を作らない、と云いたい。が、ついつい「時間が無い」と連呼して他者の所為にしてしまいがちな日々を送っている。

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手帖を持ち歩くのを忘れている所為で、時間の管理が出来ていない。そして思いついた事を電話にばかり押し込んでいるので、字を書き何かを手で著す事で脳を動かす、という作業を忘れている。

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東京へ行く予定があり切符を求めねばならぬのに、企業側からの時間の連絡が遅れている。面接を設定する時間帯は10時から14時というのだから、どの時間であっても間に合うように計画し、空いた時間は観光でもしようかと考え始めた。行きたい場所は唯一、尊敬する書店員兼文筆家のお店である。

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人をどん底に突き落とすのは簡単である。救う事は命がけなのに。午前一時から五時まで、チャットを通じて友人の愚痴を聞きながら、そう感じた。
友達なのだから、そんなに簡単に嫌いになりはしないから大丈夫、かつてこの言葉に救われたのと同じ様に、この言葉でとても好きな誰かを救い、この言葉を実現出来る人であり続けたい。

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東京に9時半に来いと云われる。ちゃんと行けるかどうかすでに不安の塊である。始発に乗り込んだところで、到着は集合時間ぎりぎりである。ましてやそこから道に迷った時点で、何かが終わる。