それでも電話は鳴る.

電話が鳴って、「内定」という単語が聞こえた気がした。
何年か前に或るプレゼンで見初め、中途採用でも良いからいつか入社試験を受けようと思っていた会社だけに、縁を感ぜざるを得ない。(それは内定をいただいたからだが)
数日毎に採用情報を眺め、数時間毎に説明会空席待ちをしてみた甲斐があった。

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期待し過ぎると、例えば、会いたいと思う人に遇わないかしらんと考えていると、予想は空しく外れる事が殆どである。 「もしかして…」というほんの小さな希望が大切なのだ。(期待し過ぎると、外れた時の衝撃が大きい、という事とは、又別だという事にしたい)
今日は朝から全く良い事が無かった。
天気が悪い。 猫に遇えない。(通り道で、毎日どこかしらで遇う。猫と同じ通り道を使っているとは、素敵な事実だ) 急いでいて財布を忘れる。 ゼミでは阿相教授に無言で責められる。
きっと今日は「駄目な日」なのだろう、そう思った矢先、電話は鳴った。

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今週土曜に、大学職員の面接予定が入っている。受験するかどうか、迷うところだが、通過したところで入社希望を抱く事はない様に思う。両親としては、大学や公官庁の様な倒産のない職に就いて欲しいらしく、「一応」をほのめかされる。確かに内定を戴いた会社は、人事制度やマナーに関して、又世間の声から窺える事情からしても、両親に安心してもらう要素は少ない。
しかし、一家の生活費を稼がねばならないにしろ、仕事をするのは自分であるから、本当に働きたい場所で働きたい。
独自の発想とある程度のセンスの必要性、書籍の編集、対個人コンサルティング、営業、広告、販促、企画に関わる可能性のあるこの会社は、若いうちは欲張りたい私には合っている様な気はしているし、やりたい事と夢に最も近い会社だと感じるから選んだのだった。