自力本願で星屑を描いて.

一晩中、就職活動サイト、検索ポータルとを睨み続けた。きつ過ぎる。電気を消した部屋も自分の仮想も真っ暗である。先日内定を戴いた会社にいつか入社する事が夢の一部だったのであるが、自分で不審に感じた点を追究していくと、その会社は私が抱いている信念と良心に反する事をやっているのではないか、という疑惑が次々と浮上する。会社が悪い訳ではない、なぜならそれもビジネスであるから、会社を愛する気持ちだけで突き進んできた自分が悪い。
人生を舐めている、とはこういう事で、夢の端っこさえも此れしきの活動では掴めはしないのだ、という事も。つまずかないと分からない、純粋で鈍感で不器用な子なのだ、と云ってしまえば「悲劇」で済むようなものだが、それでは生きていけない。

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内的な事で日記を埋めたくはない。もっと、外に目を開きたい。
・・・この日記が紙面に書かれているならば、この辺に涙の沁みを残す事が出来るのだが。
近頃ひとに、だけでなく、他人に、うまく気持ちを寄せる事が出来ない。周りが真っ暗に見えるのである。感情とは何か、という事すら問いたくなる。

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読書:『愛のパンセ (新風舎文庫)』厳しく難しいが力があり、解放される心地を抱く。こういう文章を書写して、日本語力、文章力を磨くと良いのだろう。論文に行き詰った時は、そうしたい。

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目の前が真っ暗でともすれば「崖」から飛び降りてしまいそうな気分の時はどうすれば良いか、以前「自分の好きな場所に行くとよい」と書かれていた為、その通りにしてみた。生命の危機である時は「自主休講」も許されるはず、と勝手に規則をでっち上げて気が済むまで放浪する予定だったが(学生だから許される事を学生のうちに堪能しておきたいものだ)午前の授業が丁度休講になったので、心置きなく放浪する事が出来た。午後の授業は出席出来、自己嫌悪にも陥らずに済んだから最高である。
まずは、丁度今日開店だという、いつもの書店の新しいスペースに行く。欲しい物だらけであっても気持ちを抑える術はすでに身につけた。一点ものの食器に弱い。 古本の草月流生花の独習用教科書を買った。お花を生ける事くらいまともに出来たら、と思うので、いつかは手に入れたいと思い続けてきた本である。花の切り口等、基本をも網羅してあるのがとても助かる。
書店に寄った帰りは或る気に入りの喫茶店に行く、と決めている。食欲が湧かないから飲み物だけにしよう、という気持ちが、喫茶店に入った瞬間消滅し、夏野菜カレーを残らず消化してしまった。
時間に間に合うように大学に戻り授業に出、少しだけひとに会って小さな買い物に付き合い、帰宅すると、死にたい気分が薄らいでいた。 さすがに「好き」なもの中に浸かると、気分を覆さずには居られない様だ。
好きだった会社について、両親に「そんな会社、やめとけ」と云われるのが怖くて、又、「うちはお金が必要だから、出来れば安定した会社に入ってほしい」とほのめかされる事が痛々しくて、昨日はよく相談出来ずにいた。が今日はやっと、意識が少しだけ外向きに変わった為、率直に意見交換をする事が出来た。
両親とは、本音で向き合いたい。建前で接していても、「それは建前である」「建前で接されている」と分かるから、余計に辛い。生きている実感、産んでもらった実感を、本音でぶつかり合う事で得たいと無意識に思っているのかもしれない。一般的にはきれい事に見えるかもしれないが、私の生き方においてとても重要な「やり方」できれい事では全く無い。

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批判の事実性を検討する際は、どんな立場の人が述べている批判なのか、という点から考慮していく必要がある。批判だけに限らず、他の言動にもこの観点は適用可能であるから、常に気に掛けたい。

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茶店で、カレーと御飯が分かれて出てきた。スープの様にさらさらしたルーだからだろう。しかしこういう場合、どうして食べれば良いのか、一瞬困る。カレーが入っているのは、注ぎ口のない単なるボゥルである。よって、御飯にぶっかける、という事は不可能だろうし、それではわざわざ御飯と別個で出てくる意味がない。スプーンでカレーを掬って御飯にかける、という事もまあないだろう。という事はきっと、スプーンで御飯をすくって、カレーに入れるのであろう、という事を、本を読み続けるふりをして、カレーに着手する前に数秒、考えた。
何とかきれいに食べる事が出来て、一安心である。
食べ物は、美味しく食べるかきれいに食べるか、兎も角、その行動自体で感謝を示す事が出来るような方法で戴きたい。

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3コマ連続で授業、というMr.Fridayには、ここまで来てさすがに疲労の色が見えた。今日は私自身前夜は徹夜(就職情報検索と眠れない気持ちの為に)をしたので、集中が途切れがちで、時時意識をも途切れさせていた。彼の授業で眠った事はないのだが(あまりにも「派手な授業」で、又授業に無関係な行為を放っておく教師ではないので)、今日はさすがに疲労した身体と気をコントロールする事が出来なかった。
お互いに疲れていて、何だかシンパシーを感じさえした。
終盤で、疲れを吹き飛ばさんとしてか、原文を大声で感情移入して読み上げ始めたMr.Fridayに驚き、さすがに目が覚めた。よっぽどお疲れであったらしい。

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雲で星は隠れているが星が存在する事には変わりなく、二つの星を祝福しながら、父が分けてくれた焼酎を呑んだ。