電話は鳴らなかった.

「失敗を恐れたら 何にも出来ないよ」という歌声が流れてきた。保育園から、である。ごもっともだが、難しい事を云う。 通りからは遊技場が見え、和音をよく外すがご機嫌なピアノが聞こえるする。遠目で見ていると小さな子供達は可愛い。
猫達が植木鉢をぬって再び無理矢理居座り始めた。そのうち鉢は割れるか汚されるかで撤去されるだろう。子猫の身体がしっかりとしてきた。遊び盛りの様で、親猫は監視を行き届かせるのに苦労している。子猫達の動きに合わせて視線と首を忙しなく動かしている。微笑ましいというより、偉いなあと思った。一匹でも野良なら食べていくのは大変だろうに、放棄せずにうまく育てている。人間もそういう意味では動物回帰すべし。
最新刊の立ち読みが出来る書店で、『ハチミツとクローバー』を立ち読んでやろうと企むと、可愛い感じの先客がいて、回れ右をした。

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手取り十七万円、家賃差し引き七万円では東京で一人暮らしが出来ない。社長の著書と、持論の冊子が送られてきた(著書は以前に自分でも買ったのだが)。もっと話がしたい、働きたいという思いは募るがしかし、きれいな事と夢で都の路頭に迷う事はどうしても出来ない。住宅他諸手当について、最後の希望を抱いて(それくらいはある、と云ってくれたら、ボーナスなんて要らない!)電話をしたが担当者は不在、「戻り次第折り返し電話します」と云われたが、電話は鳴らない。
夢と現実の溝は、哀しすぎる。
臆病だね、お金の事で夢を捨てるなんて、そう保育園児達に云われそうだ。そうだ、違いない。でもどうしたって生きていかなくてはならない。地道に行くしかないらしい、どうも私みたいなのは。

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哀しい。

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蚊がやっと御用、しかし足裏を刺された。

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決断をする事は難しい事です。 キャリアカウンセラーのおじさんは、まるで懺悔を聞いた後の神父の如くに(想像)そう云った。

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視覚的温度差実験:
(1) 嬉しい楽しい美味しい大好き綺麗素敵可愛い面白い凄い吃驚幸せ最高
(2) 嫌だ疲れた不味い大嫌い汚い不細工下手くそつまらない不幸悲劇最低
(3) まあまあ微妙ましまずまず無難そこそこ悪くないけど多分ふつう普通