立ち並ぶビルに同じ顔をされた.


近くにコーヒー屋があるかどうかを鼻で嗅いで判断した。チェーン店の薄い香りがした。昼時のコーヒーチェーンでは同じ歳くらいのOLが制服姿で列を作っているし、会社説明会では同じ歳の営業担当が質疑に答えていたり、人事担当がプレゼンをしたりしている。

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久々にパンプスを履いたらば、足の指と裏が豆だらけでぷくぷくに、脚がぱんぱんになった。夏まではあれ程平気で履いていたのに(走り回ってさえいた!)。どうも足が縮んだらしい。

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AmazonからMoleskine手帖の案内メェル来る。趣味を把握されている気分だ。来年の生活はどうなっているのか予想がつかないが故に、手帖がすこぶる選びにくく、困っている。Moleskineは個人的で、QUO VADISは機能的、という変わらぬ印象を持ち続けている。専ら外国製のものばかり、ここニ三年使い続けている。自分で作り上げていく自由のある手帖が良い。

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雑誌『装苑』最新号を買って、電車の中で書店のビニル袋を開けると、隙間に何やら白くてふわっとしたもの在り。その正体は、ミナ ペルフォネン製のミニバッグだった。思わぬご褒美になった。そんな付録があるとはどこにも書いていないが、雑誌全体から70周年のおめでたい雰囲気が漂っているので、どうもそのおこぼれらしい。お花と蝶が描かれていて、毛羽立ってもはもはになる様な生地ではなく、麻が使われていてぴん、しゃきっとしている。

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外に出たのに猫見当たらず。今日は猫の写真ではなく、と或る愛すべきナルシストの写真を貰った(あのナルシーぶりは豆腐の角にあたまをぶつけたり、馬に蹴られたりしたところでは消えないだろう)。
美味しそうなチーズカレーをのおびのおびと食べているので、じっと物欲しそうに見つめてやったら、食べる、とご親切にもおっしゃる。そこでもう一言甘えて、丁度良く冷めたら頂戴、と云ってやった。お蔭で、歯の裏を火傷せずに済んだ、ひとの様に。「猫舌」二人、湯気の出ているものを戴く時は、冷めるまでふたりしてじっと待つ。

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遂に朝には涼しい風が吹き、晩には涼しい虫の音がする様になった。ツクツクボウシの出番は少なく、哀れ、夏もお仕舞いか。しかしまだまだ、夏独特の大きな蝶が、ばたばたと盛んに飛び回っている。暑苦しくて少々グロテスクだ。