削られてゆく焦り.

uopus2006-09-09

写真は、早朝寝台の上から撮影、よってどう足掻いても斜めにしか写らず。窓際に並んでいる瓶達は、いいちこ、プチ・ムーンシリーズ三瓶、椿油、リモンチェロの空き瓶。朝はまっさらな光が差すのだ。
まっさらな光を見守った後、八時間の睡眠に入った。

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MOEっていう雑誌があるの、と不審がる母に、昔買ってたんだよ、しかも未だ部屋にあるし、と告白する。最新号はだるまちゃんの作家特集、懐かしい。

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『おやじの女』(連呼するには少々恥ずかしい題名で、先日取り置きを引き取りに入った際も恥ずかしく、店員にも珍しがられた)面白い予感がし過ぎて、がばと開ける気にならない。開けたら最後だろうから。表題作と「たい焼き騒動」のみ目を通す。尻尾の先まで餡が入っている鯛焼きを、自分は食べた事があるかないか、記憶にない。ひょっとして、そこだけ無い方が、生地そのものの味が分かって好きだったかもしれない。暫く食べていない、そもそも鯛焼きを焼いているところを見かけない。デパートで気紛れに焼かれているのを見かけるくらいである。今度古都の市に出掛けた時にでも探そう。東京には鯛焼き屋なんてものがあるのだろうか、もしくはあったのだろうか、あの店が美味しいだの否こちらの店の方が美味いだのという鯛焼き論争が起こったくらいだから。「たい焼き騒動」では、尾っぽまでしっかり餡の詰まった鯛焼きに作者が「人間の誠実さを味わった」感動から、記事にしたところ、その記事を読んだ店に客が殺到し大変な騒ぎになってしまった、と記されている。偶然、読み進めている『蟹の縦ばい (中公文庫)』でも、「小さな店だが美味いものを食わせる」と記事にした為にその店に急に行列が出来はじめ、悪い事をしてしまった、と吉村昭が書いていた。いい店はついつい人に教えたくなるのが、人というものらしい。自分が好きな良い店を他人に紹介し結果的に喜んでもらえる事があれば、単純に嬉しいものだ。しかしながら、こんな「騒動」等どこでも起こりうる情報の時代だからこそ、自分だけのお気に入りを密かに保持するのもまた、一つの楽しみに違いない。

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責任を取らないなら、野良猫は追跡と遠目で観察の対象、というだけにする。子猫は触らない。

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DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)』の漫画家が銃刀法違反で逮捕された日、肥後守で以って鉛筆を数本削っていた。小刀も持ち歩いていたら不審に思われるのだろうか、と考えて法律を見てみたところ、折りたたみ式のものや切り出しは、サイズ規定内であれば、規制対象外らしい。
今更だがこの肥後守、気に入って入るのに自分の手には少々大き過ぎた感がある。いつか馴染む日が来れば良い。鉛筆削りという作業には慣れているが、時々削りすぎて書いている途中で芯が折れる。鉛筆に味が出て良い。

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昨日、研究室仲間から、調子はどう、とメェルが来る。研究室に来て真面目にやりなさい、というお達しである、と受け取る。嗚呼行かねばならぬ、と思いつつ就寝して目覚めれば太陽は西に傾きかかっていた。