ぬりかべは灰色.

地元のコーヒーチェーンが異状な程混雑していて(田舎なのに、一体どこから湧いてくるのだろうか)、空席を見込んで論文の紙束を持ち込んだが断念して、早々に帰宅す。地元は、居心地の良さを考慮した洒落た店等、殆どない。需要もない。起きて食べて帰って寝る為の都市なのである。たこ焼き屋でさえ、やる気がない。
ぬりかべのひざ掛け、とやらを、贈り物に購入した。前々から狙いを定めていた、低反発のぬりかべ座布団が消えていて、落胆した末の決断である。ぬりかべは目が細いので、何の変哲もない無地のひざ掛けとそう対して変わらない。かべをぬる小道具を持っている位である。

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和訳した論文の主旨をノートに書くだけで、一晩明けた。信じられない。

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近頃、午後八時から十一時まで、もう少し長引けば午前二時まで意識を失くしている事が多い。そして起きだして朝まで作業をする。同じ時間数眠っているのに、時間帯によって眠った実感がある時と無い時があるのだ。こんな変な時間帯に眠っても、睡魔はそうあっさり退散してはくれない。
新聞屋さん、小鳥、朝焼け、早朝の曇りぞら、朝の光が、次々と身と耳に迫ってくる。

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離別を期日付きで告げられる夢を見た。実感が籠もっているだけじんわりと胸に圧し掛かり、その事を別の夢の中で誰かに報告していた。「こんな夢みてんけど。」と。何だか可笑しい。夢の中の私は「あっそう。」と強がっていた。