猫と雲の行方.

猫に何か話しかけられる。にゃあ。にゃあ。と云ってくれているが、何を云っているのか分からない。毛の色はその地域で典型的な黄縞だが、見かけない顔の猫だった。
春によく見かけた、黒に薄っすらと黄が混じった毛の子猫二匹の近況が気になっている。ちびっこだったのでどれくらい大きくなっているか知れない。よって、こんなに大きいはずはない、と見逃している可能性もある。ずっと母猫が近くで子猫達を監視していたので近づけず、顔をよく見る事は出来なかった。

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叔父から祖母宅に送られてきた敬老の日お祝いに古代米が入っていたので、家族と祖母でいただいた。今日は黒米、粒は黒いが、一緒に入れる白米は丁度赤飯のように赤く色づく。もち米を入れたようにもちもちして美味しい。よく噛むようになるので、顎にも良いはずだ。古代の人達はきっと、今よりずっと顎が強かったに違いない。(現代人の顎は弱く狭くなってきている、という報告を何度もテレヴィで観たり、学校で硬い食べ物と顎に関するアンケートに回答してきた。)
ただ、黒米は一晩水に浸けておく必要があるので、それだけは面倒ではある。

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よくある話だが。
あまりに弱すぎる所為で音楽的才能の無い事を時に嘆くが、才能があると思われる人は別の事(こちらと同じ事の場合もあるかもしれない。ごく普通の事等)で悩み、その悩みを解決すべく悪戦苦闘する。期待されている人は、他人から勝手に押し付けられた過度のプレッシャーにだって打ち勝つ必要がありそうなものだ。
よく気がつき人に優しく(見た目は怖いが)自分に厳しく、女性の楽しみと自分の魅せ方を知っていて(金遣いは荒いが)、それだけに悩み深い或る知り合いを、こころの中で羨ましいなんて言葉で片付けていた自分は一度、豆腐の角にあたまをぶつけてみた方が良い。
楽団の練習後、心身共にぐったりして寝転がっているうちに眠ってしまった。朝になった。

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豆腐の角にあたまをぶつけて死んでしまえ、という表現は祖母に習った。ひどく怒らせた時だったか、本当に教えてくれようとした時だったか、または現代の人が「氏ね」と云いたい時に祖母が使っていた言葉だったか、忘れてしまった。
昔の人は言葉の重みを知っていたのだろう。

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久しぶりに電車に乗っていて寝過ごした。気持ち良くぷかぷかと寝てしまった。引き返す電車でも、あまりに気持ちが良いので、ずっと乗っていたくなる程で、困った。
赤ん坊とお母さんが、窓を見ながら何かお喋りをしていた。未だ言葉をしっかり話せない赤ん坊と母は通じ合えるものなのだろうか。