単なる酔っ払い.

幼い私と弟で、父にディスニーランドに連れていってもらう夢を見た。幼い自分に、スピードの出るアトラクションに誘う父の身体を気遣う今の自分が、乗り移っていた。
引退した部の練習を、楽団を通じて知り合った大先輩と、待ち合わせていた更に大先輩とその方の旦那さんと共に、覗きに行く。早速厳しい言葉を現役に浴びせかける先輩方に、数分で辟易する。妥当性はあるが、演奏会まで後二週間という時点で云う事ではなく、また彼彼女らの今までの頑張りを無視した言葉ばかりを、先輩方と同じ様には発する事は出来なかった。云いたい気持ちは分かる、又、過程がどうの頑張りがどうのという事を気にする人達ではないのだろう、という事も、私は分からなくもない。けれども、今まで自信がないなりにも必死で頑張って来た後輩達には分からない。その後食事処の席につくなり、泣き出した後輩を慰めるには、少々時間がかかった。
小さな土鍋とコンロのセットでやってきていたおでんが、後輩をなだめているうちにすっかり冷めてしまったので、火をつけて温めなおそうとカセットコンロをかちかちやるも、着火せず。ガス缶もう一缶下さい、と叫んだところ、熱燗もう二合が代わりにやってきたので笑う。熱燗は有り難く頂戴する事にして、ガス缶もしっかり確保し、おでんの続きをつつき合った。
皆すっかり終電に乗る気を失い、閉店まで飲み続ける。日本酒は後に残るので焼酎に切り替える。が案外ここで更に調子づいてしまって危険になる事を、そろそろ学習していなければならなかったのだ。飲み易いものは、水であるかの様な速度で飲んでしまう。