虫食いの穴.

夜中に雷鳴で目が醒め、急いでPCのプラグを引き抜いた後、再び寝入る。中途半端に二度寝をした所為か、翌日は寝坊した。
来週スーツを着る予定があるというのに、見ればスーツは穴だらけ、これでは着て歩けないので、母に頼み込んで買ってもらう事にした。最初どこかに引っ掛けてこさえたのだと思っていた穴が、徐々に増えていった。こんなにいい加減な扱いをしたつもりはないのに、と思って母に相談したところ、明らかに虫食いだと云い渡された。折角入学祝として買ってもらった良いものを、粗末に扱ったような気になるので、そう思いたくなかったのだ。が、事実と、新調したら、という厚意を受け入れる事にして、今日買いに行った。いやはや、情けない。結局、また虫の好みそうな毛製のものにした。
虫は美味しいものしか食べないから、腹が立つのだ。スーツと一緒にかけておいた服で、他に虫の被害にあったものはない。確かに、化学繊維を食べても何の栄養にもならない様には思うし、ウールやカシミアは腹が膨れそうだ。キャメルなんかはどうだろう。
この穴だらけのスーツを、このままずっと置いておいたらどうなるだろう、と母と云い交わした。穴だらけになるよ、毛虫に食われた葉っぱみたいに、すっかり無くなるのかな、云々。美味しくない部分はきれいに残るはずだ、堅い茎や枝の様な部分なんかは。
ひとから、昨日面接を受けた会社に採用される事が決まった、と報告有り。彼が応募したのは三、四社位のものだが、私は一年就職活動をしている事について、再び物思いに沈んだ。が、兎も角自分の事のように安心したので、この結果報告は嬉しい。また、部の元同輩が無事に出産したという報告も入ってきて、なおさら嬉しい事続きでここ数日は明るい気分で過ごしている。好きな事を仕事にする事に迷いがないひと人や、それを狙って就職活動を出来るひと人は、強い。

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雨の日は猫を見かけない。雨合羽を着た人に引っ張られていく犬も、何だか不本意な顔をして大人しくついて行く。毛の短い者は雨でも大して困らないけれども。

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楽器を練習するも、毎日時間をかけなければ出来ない点で引っ掛かる。こんな少々の練習では上達もない。コンマスの顔や指揮者兼師匠の哀しそうな顔を想う。