神の御心のままに.

ぞっとする思い出が出てきた。以前好きだった人が読みついでいる本にいつも挟む栞が、私もよく使っていた栞と全く同じものだった事に気がついた時の事。その栞には、聖書の言葉が書かれている。同じ経路で手にした可能性がある。それは確か小学校の時に手にしたもので、長じた今の今までよれよれになるまで使っている者は、気に入ったものはなかなか捨てる事が出来ない私を除いて他にいないはず、と思っていた。あなたに神の・・・が・・・ますように、という一文と(詳しくは忘れてしまった)、素朴で正直な花の画が載っていて、天辺には細い橙色かピンク色のリボンがついていた。自室の栞入れの中にあるものと同じものが、この世の中に未だ存在していて、その上目の前にいる人の本に挟まっている事を目にした時、嬉しい訳ではなくなぜかぞっとした。何にぞっとしたのか。めぐり合わせにぞっとしたのかもしれないし、どちらかと云えば悪魔みたいな人が聖書の文句のくっついた栞を使っている事にぞっとした様な気もする。そしてなぜ今頃、こんな記憶が覗いたのかも、全く不明である。

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ここ数日、たった3円しか入っていない財布を、養ってもらっている実感と共に抱きながら、暮らした。