透明な瓶は空っぽに.

uopus2006-12-03

脇に置いたお酒が、ぱちぱち、と音を立てている。
透明な瓶に入った透明な液体は、何だか謎めいている。ひょっとすると水かもしれないし、毒薬かもしれない。瓶を振って、とろとろ、と中身を揺らしてみるも、正体はまだまだ不明であった。
何やら、熟した果実の様な匂いがした。飲んだ後で一層、この液体は何なのか分からなくなるものも、珍しい。香料、酸味料、炭酸ガスで作られたこの透明な液体の謎は解けぬままで、透明な瓶は空っぽになってしまった。

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仲の良さそうな野良猫一組が、陽を浴びていた。顔を見に少し近づいて覗き込むと、灰色の縞猫が挨拶を一声くれた。高くてまっすぐな一声で、はー、と鳴いたように聞こえた。
老猫達は、一挙に増した寒さの所為か、姿を見せない。

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ルーシーはダイアモンドを持ってそらに。