真冬のソーダ.

正午に待ち合わせをして、ひとの希望でパスタのある店に向かって歩く。待ち合わせ前に漫画を売って作った小銭が、半分、支払いの役に立った。
目の前の人は毎日真面目な生活を送っていて、そろそろその真面目さが結実する頃だ、と思うと手も握れない。現実と非現実の間で挟まれながらも足は地上にない状態は、ひとに会って隣を歩いていても結局断絶する事がなかった。
別れた後、行きたいと暫く思い続けて叶っていなかった喫茶店に入り、クッキー(50g)と奇跡的な美味で気に入っている柚子ソーダを注文して、本を数ページ読み進めた。小説ではなくて、実生活を著した文章を好んで読んでいるのは、本から顔を上げた時に感じる、本の中と今ここで生きている世界とのギャップを、出来るだけ少なくしたいが為と、直接的に何か本に教えて貰いたい為、の両方である様に自覚している。
50円割引の券が二枚出来たが、特に本を買い足したいとは思わない。こういう時期もあるのだ。

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管理を任されているブログを、無心に執筆する。こういう無心の作業があると、実りは微々たる物であるにしろ無心に生活する事が出来るので、実は助かっている。問題があるとすれば、ブログは他人が見るもので、しかも自分勝手に作って良いブログではない点で、少々胃が痛い。

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大きく口の開いたグラスの中の氷の曲線に、胸が潤んだ。