リボン結び.

uopus2007-05-26

港の街へ行く。
亡くなったヒトの乾いたの、なんて大して見たいとも、道徳的に見ても良いとも、思わないのだが、両親が必死で「見なさい」と云うので、ひとりチケットを握り締めて行く。
合わない靴に無理矢理付き合わされて徐々に骨ばっていく、哀しき我が足に贈り物をすべく、港街の古い「ビルヂング」を廻ってみる予定で、雑誌とネットで調べた住所を今、手帖に書き取っている。
肌も足も、愛せる状態にしておきたい。外反母趾の足は、醜悪過ぎて情けない。
本は二冊、持って行く。
電車待ちの間、小学生達が「小さく前にならえ」の基準と有効性について討論していた。大人には大人の、子どもには子どもの世界が、その時は確かにあった。

                • -

平日6時起きの癖で、休日も6時か7時には醒める。今朝も例によって7時に目覚めたので、昨日購入したCDをイヤホンから流す。

Musical

Musical

LAND PATTERNS

LAND PATTERNS

ボロディン作品集
買ったところのCDは、必死で聴く。お腹が鳴って、胃が食べ物を求めだし、足は御手洗いの方向へ向くが、耳がイヤホンの縁から動かない。結局二枚聴いて、顔を洗いに降りた。
すっかり日が高い!

                • -

world's end とか、world endとかいう単語の並びに、ヒトは弱い。

                  • -

久々にPCを開けると、メールで楽団から「業務命令」が来ており、処理を終えて家を出ると、14時回っていた。博物館は、金曜と土曜は19時まで開いている、とチケットにあるが、待ち合わせの時刻を思うと余裕がないので(尤も、木乃伊をそんな長時間も観る気はないのだが、念の為)、見物は見送った。しかし、義務感は残っている。
脂ぎったごくありふれた定食屋になぜか列が出来ていて、暫く並んだ後クリームコロッケを食べた。幼児の拳大のコロッケにかかっているソースが、あ、と声が漏れる程旨味があり、驚く。成る程、行列が出来るはずだ。目の前のひとは、皿一杯分、豚の天麩羅を只管口に運び続けていた。よくも飽きないものだ。衣の色と豚の薄さのそれは、スナック菓子に見えた。

          • -

手作りらしい靴を、カフェの雑貨コーナーで求めた。フランス語で何やら書かれていたので、フランス製かと思いきや、タグを見ればしっかりmade in Japanとあって、哀しくなる。日本語で書かないところが、近頃の日本人らしい。
その靴は、以前同じカフェを訪れた折目をつけておいた代物である。他の店で色々と洒落た靴を見、あれでもないこれでもない、と選択肢を捨てているうちに、その代物を理想、もしくは判断基準として捉えている事に気がついた。すぐさまそのカフェに飛び込み手に入れ、ウレーム・ド・ブリュレとゼリー入りソーダを矢継ぎ早に流し込み、店の階段の下で新しい靴に履き替える。足の指が恐る恐る開いていくのが分かる。が、未だ靴も足も固い。
それが良いなら、最初から迷わずにそれに決めれば良いのに。
余計な時間を食ったので、下調べをしておいた店にはちっとも行けなかった。まあ良い。その分歩いたので、新しい靴との今後が、少しずつ見えて来た。革は履き込めば足に柔らかく、又丁度良い具合に添うだろう。
洒落てはいないが愛するものは、常に必要なのだ。