胃もたれの月曜日.

電話の対応を立て続けに失敗した事で、頭の上から落ちてきた暗さを全身に纏いながら、書店に足を運ぶ。足取りが重たければ、鞄も重たい。
書棚に刺さっている雑誌を引き抜き、腕に抱えて(何十周年かの記念号は、矢鱈と重く分厚い)、「料理」という場所で弁当作りの本を開ける。
明日は何弁当にしよう、と考えるのは楽しいが、買い物の予定と予算を考えていると、再び暗いものが下りて来た。余っている屑野菜で何とか出来る日は、料理初心者にとって大分遠く感じられる。
夕飯の後、鶯色の大福を、満腹に無理を利かせて頬張ったところ、楽器の練習中に睡魔に襲われた。楽器の横で昏々と眠り続けている途中、師匠が遠いところで演奏と演説をしている夢を見た。声が大きい。
いつの間にか夢の中で火事が起こっており、あわや師匠弟子諸共焼死か、というところで醒めたら、胃がもたれていた。
餡の鶯色が求肥に写り込んだ、あの美しい逸品は、一度目にしてしまえば口に運ばざるを得ない。
その「事故」がたとえ、22時という禁忌の時間であっても。