病がちな音楽.

世界から落ちそうになる。
自分の内のどろどろした部分を少しでも見せる事が、怖く感じらる。具体的には、曲を通して、こういう感情を出したい、と主張する事が怖い。そればかりか、音楽という表現行為から離れたい、とすら感じられる。恐ろしいまでの虚脱感に襲われ、何が弾きたいの、と師匠に問われるがうまく答える事が出来ない。
口の中も、口の先も、頭の中も、すべてが、もごもご云っていた。
また殻に閉じこもろうとしている。しかし今度の「殻」は半透明で(外の様子を伺える様に)、成分も正体も不明なので厄介だのだ。
一体どうしてしまったのか、どうしたら良いのだか、分からない。
音楽音楽音楽・・・、聴きたくない。
森に行きたくなった。木の葉の音が聴きたい。
置いていかれる。

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人にとっての音楽は、二種類用意されていると思う。
生きる方向へ向かう音楽と、安らかに眠る為もしくはゆっくり目覚める為の音楽の、合計ふたつある。両方手元に揃っている時は、とても気分が良い。