前に倣え.

uopus2007-06-04

月曜と水曜は、少しつまらない。なぜなら、これらの曜日が定休日のカフェが多いからである。大人しく自宅に直帰して英気を養うのが良い。
寄り道をしない代わりに(途中下車するにも身体が動かなかったので)、雑誌を読みながら甘いものを食べてゆっくりしよう、とコンビニに寄る。衛生ボーロが売られていたので、濃いめに作ったインスタントコーヒーを飲みながら、豆皿に盛ったボーロを摘む。こんなに素晴らしい食べ物だっけか、と思う。色合いも形も可愛らしく、赤ん坊の柔らかな頬の感触を思い出させる。
幼い頃は、好きだけど華のない食べ物だ、と認識していたのに。
木苺とか、フロマージュとか、好きだよなあ皆、とおやつのカップを冷やかしながら、ボーロと共にレジに運んでしまった(つい)、名店のパティシエ企画おやつも美味しくいただいた。
緊張の後は、甘いものを摂取せずには要られない。或いは、甘いものをひとつの楽しみにして暮らす様になる。こんな日々は、教育実習以来である。

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車窓から、ベンチに座った小さな男の子が、プリンを食べているのが見えた。今では、何か欲しければすぐコンビニで売っていて、大人も子どもにすぐものを与える事が出来る、と思考と光景をこねくり回しているうち、小さな自分が「プッチンプチン」を食べている記憶に辿り着いた。
幼児の頃は何かと予防なり治療なりで注射される事が多い。幼稚園かその前だったか、大人しく注射を受けた後はプリンを買ってもらえる約束を、母としていたのだった。御手洗いにこもりっ放しになる程気分が悪かろうが、あの黄色と茶色のつるりとした食べ物を思い浮かべては、大人しく治療を受けさせられた。
なぜそこまで、あの頃はプリンが特別で、又好きだったのかは、思い出せない。
来月には会社の健康診断があり、採血が待っている。暫く医者にかかってないので、すっかり医者や注射針に対して逃げ腰になってしまっている。今から、小学生みたいに緊張している。
電車待ちのホームで、サッカークラブの大きなスポーツバックを抱えた小学生が、「小さく前に倣え」の有用性について説いていた。
俺はこんな位。
それって狭くね。
てか要らんやろ、小さくって。
要らん要らん。
「いっちょ前」の「俺」と、「小さく前に倣え」のノスタルジーに、すっかり中てられてしまい(良い意味で)、一瞬「とつん」と気が遠のいた。小学生には小学生の世界があるのだった。

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本当に着たいと思うものを着たい、その夢が叶うのはいつだろう、と会社用に一冊、趣味と勉強用に二冊の雑誌を捲りながら夢を見る。デザイン職の社員がいる会社で、会社の窓口として認められる様な格好をする事はなかなか難しい。