真実、暗い夜.

暗いなかで橙色の焔が揺れている、という風景に最上級の安らぎを感じるこの遺伝子は、何時から存在しているのだろうか。暗いなかで何をしているのよ、とぱちりと電灯を点けられる事もあり、単なる好みか「性分」のひとつなのかしらん、とも、時々思う。
陰翳礼讃、である。

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仕事上で、処理締め切り日のみをカレンダーにしっかり書き込んでいて、配達期間を無視して事を運んでいた為、後々本来の締め切り日に到着するはずのない書類に後悔の念を抱く羽目になった。間に合う、と余裕ぶっていた自分が信じられない。 本社からかかってきた電話を、先輩に受けてもらいフォローをお願いする。
申し訳ない気持ちがつっかえている胸を抑えつつ、今日中にすべき仕事を手早くこなす。暇よりも忙しい方が頭は調子良く働くので、苦にはならない。
気がつけば、首から下が凝り固まっている事が多くなった。同僚3人と昼食を摂りに出かけた先のカフェにある、ふかふかのソファ(社内の応接室のソファが、如何にお粗末な代物かがよく分かる)に一度埋まると、立ち上がり難い。
金曜日はひとりででもお酒が飲みたい、という気分を抑え、カフェで軽くデザートを食べてから、近頃気に入って何度も聴いている四重奏曲の楽譜と、良い香のキャンドルを買い、家路に就く。[rakuten:aromazakka:1360154:image]
楽譜を見ながらキャンドルの香と焔の揺らぎで寛ごう、という計画は、寝台に腰掛けた途端襲った睡魔によって、台無しにされた。

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なのかしら、という言葉を使う男性社員に、いちいち感動を覚える。部署の半分が話す東言葉にも、随分慣れた。ビターでフェアで生真面目なところが、関西の者にとっては面白く感じられる。