かみの舞.

仕事で、地鎮祭、という行事に立ち会う。形式だけのものだが、その厳かさやもの珍しさに息を呑んだ。
浅葱色の羽織をつけ、黒いぽっくりを履いた神主が、小さな祠の前で行ったり来たりし、時折神を呼び出す為に、人の言葉ではない言葉を祠に向かって発する。
建設予定地の四隅にぽっくりぽっくりと歩いていき、枡からひらりひらりと白い紙を散らす。
風に靡く紙のゆっくりと舞う様と、その紙の白さに、何か、この世のものではない美しさを感じ、ぞっとした。畏敬の念、さえ抱く。
一通り舞い終わった紙吹雪を見つめている横を、一匹の黄色い蝶がひらひらと飛んで行った。
眩暈を覚える。